2020年2月7日金曜日

ツッコミ作品「千年の愛」

正月から始まった韓ドラタイムスリップ系ドラマも「千年の愛(2003、SBS)」で6作目でそろそろ見終わる。主演はソ・ジソブとソン・ユリで日本に韓ドラブームが起きる直前のドラマである。紹介本などでこのドラマの存在は知っていたが、それほど評価が高いとは思われず手を出さなかった。韓ドラでタイムスリップ系ドラマが一気増えるのは2012年以降で「シンイ-信義-」「屋根部屋のプリンス」「イニョン王妃の男」「DrJIN」などはいずれも2012年制作だ。その先駆けの作品ゆえに一度見ておきたいと思ったのだ。

「千年の愛」は前出の中で似ているのは「屋根部屋のプリンス」で、これは300年前の朝鮮王朝の王子(世子)とその部下3人が現代にタイムスリップする。「千年の愛」では百済の最後のお姫さまが現代にタイプスリップしあまりの違いに驚き戸惑う様子と同時にお姫さまゆえに高飛車な言動のギャップが面白い(ソン・ユリの話すお姫さま言葉は当時流行語になったらしい)。これがタイムスリップものの最大の見所と言ってもいい。それと日本の貴族で大財閥の御曹司「藤原達次」が敵役で登場する。扮するのが韓国人俳優のキム・ナムジンで彼の話す日本語がかなり聞き取りづらい。他にも日本人が大勢登場するが、発音やイントネーションなど日本人が聴けば一聴して「絶対お前は日本人じゃないだろ」と分かるシロモノで日本語字幕が欲しいくらい。当時の韓ドラ紹介本にもそう書かれていた。ところが最近の本では逆に「そこが見所の一つとも言える」と肯定的な評価になっていた。当時は日本人が視聴することは考慮されていなかったわけで、韓国人が日本人をこのようなイメージで見ていると分かるとも言えるわけだ。

話自体はまずまず面白い。ただ2003年制作ということでCGらしいCGがなく火災で滅びる百済の都の映像なんてあまりのチープさに唖然とした。それと夜に忍び込んだ敵が逃げたのをお姫さまが馬に乗って追いかけしまいには剣で戦うというシチュエーションにそんなのあるかい!とツッコまざるを得なかった。しかし現代になってヤクザをボッコボッコにする姫の伏線と思えばどうにか納得できる。姫のソン・ユリが若くて可愛くてそこは十分に見ていていられる。彼女のドラマ初出演という拙(つたな)さがこの役には合っていた。さっき日本人役の日本語がおかしいということを言ったが、怪しい忍者二人組も登場しなぜかシルクハットにスーツ姿に怪しい手足の動きでどこが忍者の末裔なのか不思議だった。それにしても姫は仕方なかったとはいえ、ジソブの安アパートと達次のホテルの豪華スイートルームを行ったり来たり。一体何回行き来する羽目になったんだ?

まあ、先駆け作品でもあるしツッコミしつつ鑑賞するというのがこの作品の楽しみ方ではあった。私の評価は一応合格点の10点中7点くらいか。まだまだタイムスリップもの視聴は続くよ。

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