2020年2月23日日曜日

5浪で医学部に受かった!

昨日、チッチからのLINEで「フラットが福岡大医学部に合格した!」という情報が入った。これに私とカールは驚き、喜んだ。5浪の末の合格である。フラット君はチッチと中学時代同じサッカー部で苦楽をともにし、ごく普通の県立普通校に進学してからはサッカー部に所属するこそすれ特に目立つ活躍もなく、かといって勉強も頑張っているとは言えない状況だった。

今から5年前2015年の4月7日のこてる日記「男子18才刮目!」というタイトルでフラット君のことを話題にしていた。以下に抜粋しよう。

「・・帰宅するとチッチの中学時代のサッカー部員だったフラット君が来ていた。・・フラット君は浪人を決め予備校通いをさっそく始めているとのこと。カールがバス停にいる彼をよく見かけていて受験に相当覚悟を決めている様子だと話していた。実際彼の話しからはかつて部員の中で一番のやんちゃだった面影が消え真剣そのものだったという。「きっとうまくいくと思うわ」とカールは話す。そう、それまでの学力がどうのこうのではない。将来を見据えいかにやる気があるかが大事なのだ。そうなると見かけも変わる。しばらく見ない間フラット君も少年から青年、大人になりつつあった。」

彼は高校卒業後「浪人して予備校に行く」と言ってそこから頑張り始めた。そもそも彼の出身高校は普通科以外の生徒も多く、進学先を見ても国公立大は30名くらい、私立大が200名ほどで、医学部に行く生徒は皆無なんである。浪人1年目で彼は宮崎大の農学部に合格した。それだけでも同級生からしたら大したものだった。「でも行かない。もっと上を目指す」と聞いた時には驚いた。当初は九州大を目指すとか聞いた気がするが、途中から医学部を目指していると聞き、大丈夫かな?と思った。

医学部は超難関である。それは国立に限らず今では私立でも同様だ。何年も浪人して入学を目指す多浪生という言葉もある。3浪、4浪は全く珍しくなく8浪、9浪という生徒もいるのだ。一般学部とは受験そのものが違う。医学部に入れるならどこでもいいという浪人生が多く、かつては滑り止めの私立医学部なんてあったが今はない。偏差値も最低63以上で一つの大学に受かれば他も受かるが、受からない人はどこも受からないことが多い。フラット君は頑張ってはいたが3浪までは箸にも棒にもかからなかった。ところが4浪目の去年、福岡大と国際医療福祉大の一次合格が届いた。知らない人が多いと思うが、私立大医学部には2千人から3千人が受験し、一次合格は300人から500人以上だ。そこから面接や小論文等の二次試験を受けて正規合格は100名から130名くらい。多くの受験生が5校も6校も受けるので数校合格者の中から辞退する人もでてくる。そのため偏差値下位の大学は二次合格者の中から補欠合格者を出す。しかしフラット君は二次合格を果たせず5浪目に突入した。ただ私立大医学部ならようやく手の届くところまで来ていたのだ。

去年3月、うちに来た時にはチッチと二人で難しい数学の問題を解き合っていて、これがあのフラット君かと目を疑った。不良ではなかったものの、片親で幼稚園も行っておらず付き合いづらいタイプと思われていて、周りの親たちからは「あの子、自己チューであんまし付き合わない方がいい」とか言われていた。ただ、チッチを含めたサッカー部の仲間とは仲は良く、高校は違っても付き合いは続いていた。浪人生となった彼によると「勉強で周囲を見返してやりたかった」そうだ。それが先の日記記載のとおりで、カールは今日のフラット君を予見していたのだった。

それにしても今年の福大医学部には2729名もの受験生が集まり、一般入試の募集人員は60名(他に推薦入学募集もある)で二次の正規合格者はたった111名だったという。その上位4%の中に彼は入った。中学時代の成績は中位よりまだ下だったのだ。彼の出身高校では初の医学部合格かもしれない。快挙である。今年は私立医学部の一次合格は久留米大、関西医大、聖マリアンナ大と計4校も受かっていた。1年経てばみんながみんな力が付くわけではない。彼はこの1年は福岡の予備校に行きさらに力を付けたのだろう。やれば出来るんだと親でもない私たちが喜んだのである。

まだ国立の二次試験、鹿大医学部を受けるそうだがそこも合格すればさらに快挙だ。しかし少なくとも医学部合格はすでに果たした。おめでとう、フラット君。

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