2020年1月25日土曜日

家康が城を作れば楽器の町が生まれる

NHK「ブラタモリ」はたまにリアルタイムで見る。今回は浜松でのロケでテーマはというと「なぜ浜松が楽器の町になった?」だった。その理由を5つのステップで探るという趣向で、例によって地元の識者らが質問を交えて各所を見て回っていた。今回はその答えが地理と歴史の中にあるということがよく分かりとても面白かった。

まず浜松がピアノに限らずいろいろな楽器の生産世界一というのは初めて知った。番組では触れられていなかったがオートバイ、車も有名だ。ヤマハがあるしカワイもホンダもスズキも浜松だ。まずはこの地が大きくなるきっかけを作ったのが徳川家康だったという。だからかつての城跡に東照宮が今でもある。元々は引馬野という単なる田舎町だったのを武田など東の敵を見渡せる河岸段丘がそこにあったのが大きかった。
家康は若き頃は17年も浜松に城を構えていたそうだ。地理と歴史の理由があって浜松という町が出来たというのはこの後も続き、毎年のように洪水を引き起こす「暴れ天竜」こと天竜川流域で栽培出来るものに綿花があった。綿花はかさ上げした土地で作ることが出来るんだそうだ。
綿花がたくさん出来れば当然木綿織物もたくさん出来る。それを作るための織機の生産も多くなる。なるほどなるほど、このあたりで見えてきた。織機職人も当然増えてそこから楽器作りに発展するんだな。
隣の三河では豊田佐吉が自動織機なんてのを作り始めたって、昔小学国語の教科書に載っていたわ。そんな中、明治に入って浜松では織機と似た構造のオルガンを作り始めたのが山葉寅楠さんという人だった。名字を見てみよう。ヤマハそのものじゃないか。
さらに遠州は北西風からの空っ風が強くて有名な所だそうでピアノの板は乾燥率10%まで下げないといけないらしくこれが木材の乾燥に役立った。さらに優秀な職人が集まるようになって後の航空自衛隊発祥の地でもあった浜松で木製プロペラの製作(昭和6年日本楽器製の銘も)も担うようになった。木製はやがて金属製になり、中を空洞にする必要があり・・これが今度は管楽器への製作につながっていく。

下にまとめると

・家康が城作る 
・城下で綿花を栽培 
・木綿を織る織機を作る職人が集う 
・木工技術を活かしてオルガン修理 
・ピアノ作りに発展 
・ピアノのボディ作る技術で木製のプロペラ作る 
・金属プロペラに発展 
・金工技術を活かして金管楽器

見事である。これって風が吹けば桶屋が儲かるの例えそのものじゃないか。だって家康がそこにお城を建てたから世界一の楽器の町になったって全くつながらないしー。よくまとまっていて45分でこれだけの内容を分かりやすく詰め込みビデオとぶらぶら散策風に見せるなんてすごい。「ブラタモリ」は相当あなどれない番組だ。

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