2018年5月7日月曜日

日大、関学アメフト問題

アメリカンフットボールの定期戦で、日本大学の選手が悪質な反則をし、関西学院大学の選手がけがをしたとの話題が出ていた。クオーターバックを任され関学の将来のエースと期待される選手がパスをして力を抜いた約2秒後無防備だったのに背後から強烈なタックルをかまされたのだ。その勢いで倒れ、負傷退場し、全治3週間の大けがと診断された。

アメフトで日大と関学と言えば常に優勝争いをするライバルチームでこのレベルの選手が明らかにルール違反のこんな危険タックルをするはずがないとアメフト関係者(日大出身)は証言している。私もこれはわざとだと感じる。何かこうしないといけない理由があったのか、ライバル選手を傷めていずれある試合を有利に運ぼうとしたのか、これはいけない。下手すれば選手生命を縮めるか断たれる危険すらある。関学アメフト部が会見で「皆さんが普通に道を歩いていて、不意に後ろから100kgを超えた選手がフルスピードでヘルメットをつけて突然背中から当たってこられた時の衝撃はどんなものか想像してもらいたい」と訴え、態度硬化しているのも肯ける。

日大側はホームページ上で「反則行為により大きな混乱を招き、多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くおわび申し上げます」と謝罪したうえで、「今回の事態を重く受け止め今後このようなことがないよう、これまで以上に学生と真摯に向き合い指導を徹底してまいります」というコメントを載せているが、おや、選手が悪いと断じているような謝罪だ。日大スタッフは反則後、選手を叱るような態度はなかったとのことで、普通なら「なんであんな反則をするんだ」ぐらいはありそう。監督がやれと言ったという噂もある。それが本当ならば、監督の退任は免れない。単なる定期戦ではすまされない問題だ。

このような問題が起きたのは、アメフトの文化がまだ日本に根付いていないからではないか。この前はサッカー日本代表の熱気の低下がサッカー文化が逆に浸透してきているからではと推論したが、今回のアメフト問題はまだマイナー故に起きたと考えられなくもない。スポーツは人気が出れば出るほどルール、紳士的振る舞いなどが選手やその関係者に浸透していくものだ。野球も戦前は観客が乱闘、妨害を起こし試合そのものが中止になったなんて話がいくらでもある。例えば四国のライバル同士、松山商と高松商が甲子園を掛けた試合が松山商のグラウンドであり形勢不利とみたファンが川の堰を切って水を流させ試合中止にさせたという有名な事件がある。逆に高松側ファンが石を投げた事件など荒っぽいものが多い。

実は高野連が暴力事件に過敏に反応する体質なのは明治大正時代にこうした熱気と暴力事件が多く、自らを律しないと野球そのものが世間や権力側から制限、中止に追い込まれるのではという危機意識が高じたからである。人気あるが上に厳しくしないとというわけでそれはいろいろ非難はあるものの成功していると思う。日本のアメフトもこの事件を契機にアメフト文化をワンランクアップして欲しいものだ。

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