2018年5月31日木曜日

紀州のドンファンと小島武夫

紀州のドンファンこと野崎幸助さんが自宅で死亡し、なんと遺体から覚醒剤が検出されたという。野崎氏は週刊現代によく登場していたのでその存在はよく知っていた。「自分は若い女を抱くために生きている」など男子の本望を地で行くような発言と実践はマスコミ受けもするし面白いキャラだなと読んでいた。最近、50才以上も離れた20代美女と結婚したと聞き、あららと思っていた。それが覚醒剤による殺人事件の可能性があるとなればこれは事件だ。

それにしても結婚すれば自分の身が危なくなるとは思わなかったのだろうか。この若い女性だって野崎氏の財産に興味がなかったといえばウソになるだろう。50才の年の差を埋めるものってまさにお金、それしかないでしょ。彼女にとって旦那が早く亡くなってくれることが一番の望みだったろう。もっともそれは自然死か事故死でないといけない。世間が疑うように彼女が犯人となれば財産はもらえない。はたして真相はどうなのか。決着が見物だ。

亡くなったといえば、ミスター麻雀こと小島武夫が亡くなっていたという。50年前ほどから11PMの麻雀特集や阿佐田哲也こと直木賞作家色川武大が作った麻雀新撰組に参加し古川凱章、田村光昭など当時の麻雀界を賑わし、プロ麻雀連盟立ち上げにも関わりつい数年前までネットやTVの麻雀番組に出ていた。私も初心者のころは氏の戦術本とかよく読んでいたものだ。ただ、当時の本の内容は統計的な根拠がなかったり、ツキがどうのこうのとかで下手に応用しても実戦には役に立たないことが多かった。1990年に出た天野春夫の「リーチ麻雀論改革派」は革命的な本でツキやはったりで解説をするそれまでの麻雀本を徹底的に非難しその中で小島武夫と田村光昭の本をこれでもかとこき下ろしていた。今の麻雀論の主流の考え(いわゆるデジタル麻雀)のきっかけにもなり、私もこの本で目を開かされたものだ。

その後、麻雀界では「20年間無敗」が売りの桜井章一の流れも大きなものではあったが、ネット麻雀のデータを元に講談社の現代新書から2004年麻雀戦術本「科学する麻雀(とつげき東北著)」が発売され、麻雀の戦術論は一変した。現在に至るまでこの本の影響が続いているといって過言ではない。当時私は当然買って読んだが、そのころは全く麻雀をしていなかったのでそれほどの感激はなかった。その本をベースに麻雀ライターの福地誠が書いたいくつもの著作は分かりやすく実践的で2012年に麻雀復活してから本当に役に立った。

小島武夫の本はというと今ではほとんど省みられていない。ただ、2010年に出た自伝的な告白本「ろくでなし」は買って読んだ。
無頼な生き方、いかにも昔の麻雀打ちだ。晩年までTVにもよく出演し、何か人を引きつけるものを持っており、平成の若者らにも慕われていたのじゃないのかな。誌上対局とTV対局で九連宝燈を2回も上がっていて、TV対局のはネットでも見ることができる。(「先生」と呼ばれているのが小島武夫だ→)https://www.youtube.com/watch?v=-7su2I_D0y4
麻雀プロなんて裏稼業から死ぬまで表の麻雀界で生き抜けた人生、十分じゃないかな。紀州のドンファンも最後が殺人でなければ十分な人生だったろうに。

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