2016年6月30日木曜日

今度は軟膏チューブ

昔、何度か日記ネタにしたことがあった。異物誤飲癖のある中年女性患者のことだ。最初は歯ブラシだった。次は温度計と折りたたんだホッカイロ。何か強いストレスがこの人にかかると呑み込んでしまう。心理を推し量るに、小さな自分がいてストレスに対し卑下し「自分なんかつまらない(存在だ)、死んだ方がマシだ」という気持ちになり、いっそのこと死んでしまいたい、痛めつけたいとなるのだろう。今回は5gほどの軟膏チューブを呑み込んだらしい。近隣の愛乱病院からの紹介で昨夜呑み込んだらしいがレントゲンで胃の中にあるとのこと、ならば内視鏡摘出の依頼を受けるしかない。

この手の患者さんのおかげで私たち内視鏡スタッフも異物除去にはだいぶ慣れた。太めの2チャンネル内視鏡にフードを付けて残渣が残る胃の中を観察する。残渣を水で洗いチューブを探す。あった!デキサルチン軟膏のチューブだった。
見つかればこっちのもの。ここで普通のバスケット鉗子でなくERCPでの排石に使うトラペゾイド鉗子を使う。つかみがしっかりし狭くなる噴門部や咽頭で落っことさずにすむ。フード付きでこの中に異物が入るようにし咽頭を傷つけないようにして摘出できた。

以前は異物を呑み込む行為は非常に危険だからと患者に注意した気がするが今回は何も言わなかった。もう3度目。言っても無駄のような気がしてね。そこは精神科の先生やスタッフに任せよう。ただこっちもこんなんで内視鏡するのはあんまりうれしくないから今度までにしてと思うだけである。

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