2016年6月26日日曜日

山がない

1ヶ月ほど前に読んだ本に「日本人が気付かない世界一素晴らしい国・日本」ケビン・M・ドーク(ジョージタウン大教授)著がある。なんかいやらしいタイトル(売らんかなが透けて見える)で普通なら手に取らないのだが、外来に来た80才代のおじいさん患者が手に持っていたのをみて読んでみようかと思った。作者は高校時代に日本にホームステイしたのがきっかけで(日本に来る前日本語は1時間しか勉強していない)日本に興味を持ち成人後再来日し留学し日本近代史を勉強した人である。

タイトルは「世界一素晴らしい」となっているが日本を批判すべき点は結構しておりやはりウケを狙ったものであろう。いろいろためになる指摘もありそれはここには書かない。私がこの本を読んで一番印象に残っているのは、実は冒頭に書かれてあった作者の故郷ミシシッピ川沿いの大平原の町には「山がない」ということだった。四方見渡しても真っ平らの風景した見たことがなかった。だからステイ先の長野に電車で向かうときに地平がワーッと迫ってくるような印象を受け、このまま電車が山を登っていくとどうなるかと不安になったそうだ。写真や絵で知っている山というものは三角の尖ったものだ、そこまで行ったら電車は・・と。最初の山を越えて「ああ、これは大丈夫だ」と安心でき、日本文化や日本人との接触にも「山を越えても死ぬことはなかったから、これからも大丈夫だろう」と思い、気持ちが落ち着いたんだそう。

国民性は土地や風土に起因することが多い。山国日本では山の存在を意識しない人はほとんどいないだろう。ただ、それは他国の人にとっては当たり前ではない。そういうことに気付かされただけでも読んだ甲斐があった。

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