2016年2月10日水曜日

電波停止だって?

最近のニュースで地味だが気になるのが、「高市早苗総務相が、政治的に公平でない放送を繰り返す放送局に電波の停止を命じる可能性に言及した」というのがある。これは見過ごせない。確かに放送法では放送局に「政治的に公平であること」と定めているそうだ。電波停止も諸条件がそろえば限定的に可能ということである。これまで実際に放送停止に至ったケースはないとのことだが、昨年NHKの「クローズアップ現代」の演出に厳重注意といういちゃもんを付けたのが高市総務相だ。どうも権力側が放送局をコントロールしたいということのようだ。それはい・け・な・い。

いったい誰が何をもって「公平」だとか「正義」だとか決めるんだ。帝国陸軍や海軍が「正義」のために戦争を開始したのを、新聞社、放送局は制御出来ず、軍や政府の御用機関に成り下がり、国民を戦争へと駆り立てさえしたんだ。マスコミをコントロールすることが如何に重要か、特に独裁国家にとっては生命線の一つでナチスドイツや今の北朝鮮を見れば分かる。国のやることに反対意見をどんどん述べてやれば国民はどっちがいいのかとりあえず自分で考えることが出来、ある意味各マスコミが「公平でない」意見を言い合うのが健全なんだ。

高市総務相はまだ停止指令を出したわけではない。しかし、その言及するという行為が各放送局を萎縮させ特に政府を批判するような放送をしなくなりがちになったら・・権力を持っている側はとかく「公平と正義」の名の下に職権乱用、暴走すらしがちなんだ。マスコミの最大の使命の一つは権力の監視にあることは自明のことで、例え「言及」しただけでも放送倫理、ひいては民主主義の根幹を揺るがしかねないことだ。とにかく放送、表現の自由をやすやすと脅かしてはいけない。国にそこを突(つつ)かれるのさえ許してはいけない。

私はいつも思う。今でいえば「安倍総理の馬鹿野郎」と自国のトップを堂々と非難することが出来、逮捕なんてされもしない国は何て素晴らしいんだと。北朝鮮国民が「金正恩はデブ」と言っただけでどうなるか比較すればよーく分かるよな。

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