2016年1月29日金曜日

横溝はこれから読め

昨日のNHKBSの 「シリーズ Jミステリーはここから始まった!」第2回 「これが日本の本格探偵小説だ!~横溝正史 「八つ墓村」」 は面白かった。第1回は松本清張の「ゼロの焦点」だったようだがそれは見ていない。ゲストに綾辻行人、道尾秀介、高橋源一郎、中野信子、華恵といった面々が集まり作品の魅力や横溝論など語り論じ合っていた。この手のミステリー談義には珍しく犯人やトリックなど思い切りネタバレさせているので未読の人は見ない方がよかったかな。でも松本清張よりも横溝正史が好きな私はこれがきかっけで正史を読んでくれる人がいたらうれしい。清張ら社会派ミステリーに押され10年以上も忘れ去られた作家だったのにその面白さを認めて復活させたのはあの角川春樹だった。そのリバイバルぶりはすさまじくブームは10年以上以上続き横溝チルドレンの作家らが輩出しその後の日本ミステリーの潮流を形成している。漫画の「金田一少年の事件簿」「名探偵コナン」は横溝系だし、道尾秀介は自分の作品の登場人物の名前が「八つ墓村」のと似ていると指摘され驚いたそうだ。高校の時1回読んでおらず全く意識していなかったのにと。

私は横溝正史を人に勧めるときは「八つ墓村」と「犬神家の一族」の二作が多い。どちらも読み始めると止められない。高校の時、桜島一周というイベントがあって足にマメをつくり疲れていたにも関わらず、買ったばかりの「八つ墓村」をちょこっと読もうとめくったが最後、勉強そっちのけで読み終わるまで止められなかった。角川春樹がこれを文庫の第1作目に選んだのも肯ける。ただ推理小説とのしての面白さは「本陣殺人事件」や「獄門島」には劣る。一種の冒険小説と読めばいいかも。

いやー、仕事は忙しいわ。昨日が休みで入院患者の指示出しが多くなったし、入院が3人、緊急内視鏡が1人いていずれも90才以上。昼休みも全くなしでバタバタしていた。そうそう、その緊急内視鏡は5cmくらいの義歯(ブリッジ)を飲み込んだ患者で2チャンネル内視鏡にフードを付けてトラペゾイド鉗子で引き上げた。簡単そうに思えるがこの手の患者に遭遇したことがない内視鏡医はきっと手こずるだろう。これまで異物誤飲を何回もやってきた経験が生きている。なにせ近くに県立の愛乱病院があり、彼ら彼女らが電池、歯ブラシ、体温計などいろんなのを飲み込んで緊急依頼を受けるんでね。経験は人を作る!

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