2022年8月17日水曜日

そうなる運命の当直

朝から外来でずっと忙しかった。そしてそのまま当直になだれ込んだ。一つだけよかったのは夕食が天ぷらに焼き肉といつもよりちょっぴり豪華だったこと。これはたまたまで魚中心のメニューの時もある。ま、いいの食べたら頑張らねばな。

すると1時間もしないうちに、4階病棟から呼吸器につながっている患者さんの具合が悪いと診察依頼があった。毎朝気管支鏡で喀痰吸引をしているがSpO2が上がりきれないという。で、気管支鏡使って痰吸引をやった。取れたのは良かったが、心臓に負担が掛かったのか、脈拍が遅くなり循環が上手く行かないようで、血圧も下がり結局SpO2も悪化し始めた。治療経過をカルテで確認すると何ヶ月も肺炎が軽快せず、昨日の記載では末期状態であると書かれていた。「家族を呼んだ方がいい」と伝え、しばらく待った。

しかし家族が来院する前に心停止が来た。心臓マッサージ(胸骨圧迫)に強心剤など蘇生を図ると心拍が再開した。家族が来たのはその頃だ。家族には、心臓は一見普通に動いているがいつ止まるか分からないと念を押した。一度止まった心臓はまた止まるものなんだ。予想どおり1時間もしないうちにまた止まった。今度は簡単に復活しない。心拍が戻らないモニターを指して家族に「もう止めましょうか」と提案した。「分かりました」との返事で心臓マッサージを止めさせた。強心剤を使えばもう少し持ったかもしれない。しかし先月銃弾に倒れた安倍元総理ではないけれど、何が何でも心臓マッサージを続けるのがいいとも思えない。家族もスタッフも患者さんも十分に頑張ったと思えればこれで良かったのだ。そうそう、この患者さんの心肺蘇生をし始めた時に外来から「救急車の依頼がー」と言われたがお断りしたのだった。どっちにしても私は忙しくなる運命だった。

この後は外来がポツポツ来るパターンで、未明に数時間仮眠を取れたくらいか。朝は2件救急車が来て久々に眠れない当直だった。

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