2022年7月5日火曜日

大人の会話

先週は大腸憩室出血患者の週だった。一人目は出血はひどかったもののそのおかげで出血源が分かって完治させることが出来た。しかし二人目、三人目は出血源の憩室を突き止められなかった。出血源が見つかるのは全国平均でもせいぜい2、3割、しかし私は5割以上を目指していて実際そのくらい発見できて治療に結びつけている。そのためには1回挿入して見つからなかったらハイおしまいじゃーだめだ。同じ日に2回3回と再挿入して見つけることもある。

先週金曜日、二人目の内視鏡検査直前にウラコさんが冷蔵庫から取り出したのが、タフマンだった。「先生、これ飲んでー」「いや、カロリーのあるのは飲まないことにしているから〜」と断ろうとしたが「飲めば、出血源が見つかるかもよ」と言われ、ならばとグイッと飲んで憩室検査に臨んだのだった。

ウラコさんは時々タフマンを買って飲み、体調維持に努めているという。「でも、買う時は1本じゃなくて2本以上頼むんだ」と言う。「どういうこと?」「1本だと自分が飲むって店員に思われるじゃない」と言い、2本だと「自分じゃなくて頼まれて買いに来た感」があるかららしい。微妙な乙女(?)心ですな。

だがその日は大腸内に血液はあるのだが出血源憩室は突き止められなかった。2回目の全大腸観察を終え、3回目も入れ直して盲腸までじっくり見直したんだがー。で、終わって「ウラコさん、タフマン飲んだけどさー、出血源見つけられなかったよー」と言うと、「そんなことないですよ。3回も入れることが出来たじゃないですか」と言われ「あっそうか。3回も入ったんだよねー、この年で」と答えると、「そうですよ〜♡」と微笑まれたのだった。うん、あんたがった、タフマン!

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