2021年4月17日土曜日

オレは大人になっても〇〇はしないぞ

今週は土曜午前外来業務だった。私に付いていたのは旧姓ダブロック今はチチハルNsだった。

某女性患者が診察室を出て行った後、チチハルさんが「今の患者さん、すごくタバコ臭かったですね」と言うので私も同意した。「50才過ぎてまだ吸っているようじゃねー」とつぶやき、「そうだ、オレね、中学生の時にすでに禁煙しようって思ったんだ」と言うと、チチハルさんは驚いて「中学生で?」と目を見開いた。あ、言い方が少し誤解を招きそうだな。「その頃吸っていたとかじゃないよ。ある雑誌を読んで『オレは大人になってもタバコは吸わないぞ』って決意したってことだよ」

中学の頃、家には毎月リーダーズ・ダイジェストという総合雑誌が届いていて、その本によくタバコの害が載っていたからだ。多感で影響を受けやすい年頃で「うわ、タバコってこんなに体に良くないんだ」と感じ入り、上のような発言になったというわけだ。

「ついでに言うとさ、中学生なのに『車を運転するときは必ずシートベルトを着けるぞ』と思っていたんだよ」「へぇー」「リーダーズ・ダイジェストがね、シートベルト装着がいかに事故から体を守るかって強調していたんだ」実際、大学生になって自分の車を持った時に、当時はシートベルト装着は法律で強制はされていなかったけど、隣席の人が乗ると「シートベルトを着けてくれ」と強制した。怪訝な表情をする人や嫌がる人もいたが「着けないと車を発車しない」と頑なだった。唯一、言うことをきかなかったのは父デンコーだけ。さらに隣でタバコをぷかぷかと吹かすのもデンコーだけだったね(父は2007年、肺癌で永眠)。

チチハルさんに「でもさ、その後の世の中を見てごらん。今じゃ禁煙するのは当たり前だし、シートベルトは法律で着けるのが当然になって交通事故死亡者数が激減したんだよ」「世の中が私に追いついて来たってことだな」とニヤリ。ちなみにリーダーズ・ダイジェストはアメリカでかつてはずっと雑誌販売数1位の有名雑誌で(2008年まで首位)保守的、道徳的な編集方針で知られていた。ずっと後になってリーダーズ・ダイジェスト誌が1950年代からずっと禁煙キャンペーンをやっていて、米国民にとっては「リーダイと言えばタバコ反対」とそれがジョークの種になるほどだったそうだ。そうとは知らず素直にその記事を信じたのがまあ良かった。

子どもや中学生くらいまでに正しい教育や指導をするということがいかに大事か、もしかするとその人の人生を左右することにもなりかねない。

「さらに次いでに言うとさ、高校生の頃にまだやってもいない麻雀を『オレは大学生になっても麻雀はしないぞ』って思ったのね」「はあ」「というのも、高校に大学生の先輩が遊びに来て言うわけ。『麻雀やったら留年するぞ』って」「それで?」「大学入学直後の最初の日に1年上の別の先輩と会ったら『こてるじゃないか、今から麻雀しないか』って言われたけど当然断ったさ。まだルールも知らなかったしー」「ふーん」「でもね、2年生の半ばになると当時の医学部バスケ部員同級生がオレ以外みんな麻雀をするようになってさ」

半ば仕方なく半ば強制的に覚えさせられたのだったが・・。2ヶ月もしたら部活動が終わったら「今から麻雀するぞっ!」って率先して面子集めをしていたのはこの私だった。「あはは」「留年?はい、当然しましたわ」チチハルさん、しばらく笑いが止まらなかった。え、そんなに受けましたか?

1 件のコメント:

  1. リーダーズダイジェスト懐かしい・・・
    うちもずっととってました市雄さんが

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