オービスは光るのか

サブアラドDrからよく電話が掛かってくるのだが、たいていは車中からのたわいもない話題だ。最近はBluetooth利用で携帯やスマホを握らなくても話せるから運転席助手席同士の会話感覚だ。5月1日の午前中に彼は高速道路を走っていた。ふつうにダベり電話が終わったはずがまたすぐに掛かってきた。何かあったのかい？

「あのさ、さっき会話に夢中になっていたせいか、オービスがあるのをすっかり忘れていた。いつもならあの場所はスピード落として捕まらないよう気を付けるんだがー」「えー、まあ大丈夫じゃないの」「いや、オービスの存在さえ忘れていた。通り過ぎてから、あ！と気がついた」「いや、（違反すると）ピカって光ると聞いたヨ」「どうだろう、もし捕まったから、こてるのせいだからな」「な、なにーっ！電話して来たのそっちやろー」「へへへ、いーや、お前のせいだ(｀ε´)」

そんなやり取りで、私はチッチから聞いたエピソードを思い出していた。

チッチが言うには「自分はオービスに引っかかったことはないけど、友だちの宇都宮くんの車がオービスでスピード違反したのに遭遇したことがある」「でもそれは自分のせいでもあるんだよね〜」と。どういうことだったのか。

その日は土曜日で朝からクラスマッチが開かれていた。チッチはフットサルの試合に出た。彼は元サッカー部、その活躍もあって順調に勝ち進み、準決勝まで進んだ。その際、ちょっとまずいなと思ったのが午後にハンドボールの試合が組まれていたことだ。もしフットサルの決勝までやると隣市で行われるハンドボールの試合には間に合わなくなりそう。そんな心配をよそになんと準決勝も勝ってしまった。このジレンマに友人の宇都宮くんが「オレの車をかっ飛ばすから決勝にも出ろよ」と言ってくれ、チッチ自身もせっかくここまで来たからには決勝までやりたいと思った。そんなわけで決勝試合終了と同時に「失礼しまーすっ」と二人は飛び出したのだった。ちなみに決勝では1点も取れずに負けてしまったんだって。

そりゃ飛ばした。オービス設置地域も明らかなスピード違反でかっ飛ばした。宇都宮くんは「あの光には気づかないはずはないです。まるで爆弾が赤く光ったくらいにはっきりと分かりました」と私にも語ってくれた。だからサブアラドDrもオービスがキャッチしたならおそらくは気づいたはずなのだ。↓その瞬間の画像写真。

ハンドボール試合会場に着いた時にはすでに試合は始まっていた。その試合はOBと現役の混合チームでの参加だったという。「おい、遅いよ」と言われ、チーは頭かきかき「寝ぼうしてたんで」と言い訳し、約5分遅れで試合に臨んだ。ただその頭は寝ぼうしたのになぜかびっしょり濡れていたんだけど・・。「この試合、自分はめっちゃ体が動いていた。OBは『おい、あいつ、寝ぼうしていたくせにやけに動きがいいじゃんか』って。そして6点も点を入れてキャリアハイの成績だったわ〜（⌒о⌒）」とチッチ。OBからも「遅刻したけどよく頑張った」と褒められたとか。試合後は祝勝会と称して飲み会、その後カラオケと翌日朝までたっぷり楽しんだらしい。そして日曜日はあまりの疲労と筋肉痛で棒のようになって全く動けなくなっていたということだった。（宇都宮くんには免停を食らわせてしまい、多大なる迷惑をかけてしまった。m(_ _)m）

で、今日またサブアラドDrから電話かかってきて「オービス、大丈夫だよ」と教えてやったのだった。