2022年5月20日金曜日

テクニックの見せ所か・・

午後から2件のERCP+ERBD処置が組まれていた。この病院ではERCP1日2件はあんまりない。それでもどうにか対処出来るだろうとは目論んでいた。しかし直前に外科から「S状結腸軸捻転の患者が近医から紹介されまして」と来たのよ。そもそも今日は私は内視鏡担当日ではないのだが・・。

よしっ、ここはたつやましたDrに任せよう。ついこの間、初めてS状結腸軸捻転解除を成功させているし、あの時は口頭でのアドバイスしながらだったが、今度は一人で出来るかも。ふむ、この間「次につながる」と書いたことがはや現実になろうとしている。

最初のERCPは短時間で順調に終わることが出来た。すぐ次の検査に移りたかったが、病状説明の患者さんがいて、「その時間、捻転解除をたつやました先生にやってもらいましょう」と佳及Nsが意見して、なるほどそれがいいねとなった。しばし内視鏡室で待機していたのだが・・。レントゲン室に覗きに行くと、たつやましたDr、苦戦していた。それでも室外からじっと観察する私。しかし今回はS状結腸もうまく通過出来ていない。防護服付けて室内に入り口頭指示を開始し始めた。その後下行結腸まではどうにか行けるもそこまでで、やはり解除はうまく行かない。一度出来たからと言って次から全て出来るとは限らない。それは内視鏡に限らず、世の技術伝承一般にいえることだ。

二度三度チャレンジしてついに私と交代した。ならばすぐに捻転解除出来たかというと、さにあらず。そもそもこの手技は捻転部位をスコープ通過するだけなら難しくないが、大きくループを描いた腸管をもとの捻れのない状態に戻すのは結構きつい。私も悪戦苦闘しつつどうにか脾弯曲にスコープ先端を掛けることが出来て解除を試みたが、1回目は途中でスコープが抜けてしまった。すでに最初の開始から1時間近く経過し、時刻も17時を過ぎていた。そして内心すごく焦ってもいたのだ。実はさつま川内市での研究会の18時半からの参加予定があった。そのためには17時半ごろには病院を出発しなくてはならない。まだあと1件ERCPもあるというのに・・。

そんなことはおくびにも出さず捻転解除処置を続けた。そしてまた脾弯曲に先端が掛かって・・このケースも前回と同じ逆αーloopパターンで左捻りに力を入れて解除だ。今度はどうにか・うまく・・行きそう・・しかし最後の一捻りに腕の回転がいっぱいになって元に戻るか抜けるかしそうになった。が、その時!たつやましたDrが私の手首を掴み、ぐいっと左捻りを加えてくれた。それでうまくいった。うわぁ。やったー。なんとレントゲン室と室外操作室から拍手が湧いたよ〜\(^O^)/。

この後のERCPは15分ほどで終え、病院を出たのは17時50分ごろ。事前に10分から30分遅れると連絡しておいたのでどうにか相手に迷惑を掛けずに済んだのだった(^_^;)。

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