2017年2月20日月曜日

その数値は2.9

キスマンクリニックから初老の男性患者が紹介されてきた。食欲不振というだけでなく顔色悪く貧血もありそうできっと入院になるから青雲会病院へ(行きなさい)とのことだった。ベッドの空きもそう多くないからそんなに気軽に入院と言われてもねぇーと思いつつ採血を指示しておいた。内視鏡検査の合間に結果を見て驚いた。

ヘモグロビン(Hb)2.9g/dl。

な、なにぃ!こんな数値見たことない。確か3g/dl台は見たことがある。しっかし2台は初めてだ。これは即入院である。男性の正常値は13以上くらいだ。6台になると輸血を考慮しないといけないレベルでもし13の人が3に1日でなったとしたら・・いや1日でなることはあり得ない、その前に死んでしまう。こんなに急に下がれば血圧低下が激しすぎて体の維持ができない、せいぜい5台くらいまでだろう。しかし数ヶ月から年余に渡って徐々に下がるとHb5台でも対応して意識もしっかりしどうにか生活している人もいる。それでも負荷のかかる動きは息が上がり無理ではあるがー。

アルコール依存で今年に入ってそのアルコールも飲めなくなり食事もできず栄養が極端に低下し血液を作れなくなったか。もしかすると骨髄になにか問題を起こしているかもしれない。この6年間どこの医療機関も受診しておらずそれにしてももっと早く受診できなかったものか。それが超、我の強いキャラで「絶対病院には行かん」と拒否し家族もどうしようもなかったという。はあ・・。でも結局は病院の世話にならざるを得ないのだ。そしてそんな人は治療は面倒になる。以前も書いたが「頑固な人は頑固な病気になる」の典型・・だわ。それでも、このHb2.9の患者さん、どうにか退院まで出来るよう治療に精出しまひょ!

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