2015年2月17日火曜日

ボトックス治療

朝、医局会のレクチャーはシマッチ院長だった。お題は「上下肢痙縮(けいしゅく)に対するボトックス治療」。脳卒中の後遺症としてよくみられる運動障害には「片まひ」とこの「痙縮」があり、これは筋肉が緊張しすぎてしまう状態で、手足がこわばったり突っ張ったりする。片まひと同じ側の手足にあらわれることがほとんどとのことだ。これを和らげることが出来ればリハビリも進み日常生活がよりよく過ごすことが出来るが、そこで登場するのがボツリヌス菌だ。なんと、菌の作用である局所的な神経筋伝達阻害作用により筋肉を弛緩させ、上下肢痙縮や痙性斜頸のほか片側顔面痙攣、眼瞼痙攣などが改善され、注射後2、3日で効果発現し効果は3、4ヶ月持続するという。

へーえ。毒をもって毒を制すじゃないが毒をもって病気を制すだ。面白い。そういえば吸血虫のヒルをもってうっ血を治す治療法があり、一般には悪いとされている菌や虫が治療に繋がるってすごいね。物事は一方的な見方だけでは断ずることはできないという哲学的な内容も含むレクチャーであった。

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