2024年11月26日火曜日

北朝鮮の生活を暴露する

最近のYouTubeで毎日のように視聴しているのが脱北女性二人の日本体験シリーズだ。「イキテルTV(https://www.youtube.com/@IKITERUTV)」という日本滞在の韓国人ユーチューバーのチャンネルで、日本にやって来た韓国人をエスコートしカルチャーの違いを紹介する内容が多い。5年前くらいから始まって約1300本の動画をアップしていて人気がある。同様のサイトが「ジュジュワールド」でこちらは700本くらいあり、ほぼ似たような構成である。

見ていると、韓国人ですら初の日本で自国とのカルチャーの違いに驚き、感心し、感激するパターンが多い。それが脱北女性となれば見るもの触るものいちいち驚いてリアクションがとにかくすごいんだ。でも今回私が非常に面白く思ったのは、脱北女性2人が「これは北朝鮮では・・」とやたら比較をしてくれることだった。もう、驚くことばかりで、そのあまりの貧しさ、過酷さ、理不尽さに驚きを通り越して呆れ、そして笑ってしまうくらい。(第1回は→https://www.youtube.com/watch?v=NS3ysQpARNg

2人は中国国境の白頭山近く出身のイ・ユミさん、平壌出身のパク・セヨンさんで30代後半から40歳くらいか。脱北して少なくとも5年以上を経っているようでセヨンさんには子どももいる。2人とも元気で活発な女性だ。彼女らの会話を聞くと、北朝鮮の思想教育というより洗脳が完全に解けていて、時に最高指導者に対する物言いは辛辣だ。日本に降り立ったばかりの空港でアナウンサーの物まねをして「偉大なる指導者金日成首領はおにぎりを召し上がりお食事を済ませました〜」と笑わせたりもしたんだ。↓左がイ・ユミさん、右がパク・セヨンさん。
彼女らの語るところによる、北朝鮮はとにかく貧しい。毎日が今日はどうして食べていこうと考えている。空港の外にあった自販機の数の多さに驚いてお茶を選んでいる時に、韓国人ユーチューバーに「北朝鮮にはお茶はありますか」と聞かれ「そんなのはなくて、スンニュンといって釜のお焦げに水を入れて湧かしたものがおもてなしの飲み物」なんだとか。そしてお焦げは絶対に人にはあげない。貴重な家族の食べ物だからだ。そして家に知人が訪れた時には「ご飯は済ませてきましたよね?」と聞くんだそうだ。ご飯を振る舞いたいからではない。その逆だ。そこを訪問客も分かっているので「はい(済ませて来ました)」と答える。それが礼儀なんだとか。困窮している家庭では、客が来たらご飯をテーブルの下に隠しすでに食事が終わったかのようにするらしい。

タクシーで東京へ移動中にディズニーランドから花火が上がった。それを見て、「最近、金正恩が自分の行事のためか何かのために花火を打ち上げました。それを見て国民は頭がおかしいと考えています、口には出しませんが」と本音を言う。「考えてもみてください。米を打ち上げているのと同じですよ」「ある人は私の鶏肉〜、ある人は私の豚肉〜と思いながら見ています」と。そしてその次が衝撃の発言だ。「牛肉とは言いません。牛肉を食べたら北朝鮮では銃殺です」なんだと。
なぜなら牛は仕事で使うから。農機具をして重要でそもそも北では牛が食用という概念がないらしい。

その後東京タワーに連れて行ってもらい、夜景を見て感動していたが、「北朝鮮では夜は真っ暗で男女がチューしていても全く分かりません」そして「北朝鮮でお母さんや子どもたちの願いはなんだか分かりますか。明かりの下でご飯を食べることが願いです」と言い、「北朝鮮では今思えば魚は腐っていました。新鮮に保存することが出来ないんです。冷蔵庫がある家庭でも電気がすぐに停まりますから」と日本との違いを強調していた。さらに「北朝鮮の街のゴミ箱にはゴミ一つないんです、なぜだか分かりますか?」「全部燃やしてかまどに火を付けないといけないので」と解説していた。かまどって、今頃使っている日本の家庭はほとんどないだろう。私が田舎にいた60年ほど前は家にまだあった気がする(土間もあったし)。北朝鮮って昔の日本の戦前か終戦直後くらいの環境のようだ。 

彼女らの話には在日朝鮮人のこともしょっちゅう出てくる。昔、10万人もの在日の人たちが「教育費無料、医療費無料で地上の楽園だ」とダマされて北朝鮮に渡った。その人たちに日本の親戚から様々なものが送られて来た。食料、生活用品、電子機器などすべてが北の人たちから見たら品質が良く日本はすごいという認識が広がり、北朝鮮の人たちにとって一番の憧れの国は日本なんだと断言していた。初回以降も毎日日本滞在の動画がアップされているが、毎回帰還した在日の話題が出てくる。韓国製品は厳禁だが、日本から送られてきたものは特におとがめはないそうだ。トイレットペーパーが来た時には「あの家のはハンカチのようなものでお尻を拭く」と噂になった。北の住民は本の切れ端で拭くらしい・・。「昔、在日の人が『日本は先進国で綺麗で文明的だ』と言った時に、私たちはウソだと思いました」という。しかし話は本当で、今、日本に来て感じるのは「美しい」ということなんだそうだ。それに「余裕」もあるという。「東京の街の明かりを少しでも北朝鮮に持って帰れたら・・自国のことを考えたら心が痛む」とも語っていた。

このシリーズは毎日アップされていてすでに10回にもなっている。とにかく彼女らの語る北朝鮮の話題が非常に興味深い。また面白いのをピックアップして日記ネタにしよう!

0 件のコメント:

コメントを投稿