2024年11月5日火曜日

「退会」欄で偲ぶ

久々に病院で仕事して、受け持ち患者が病状悪化していないか気になっていたが、下血していた患者はみんな出血が止まっていたし、悪化の人も少なくてほとんどいなくてよかった。ところがー。タクミDrから「この前、下血で入院させた患者なんですがー」と大腸憩室出血疑いの男性患者の大腸内視鏡を頼まれた。うわ、この2週間で何人目の大腸憩室出血よ。で、夕方検査したが、案の定出血源は見つからなかった。S状結腸に憩室多発ありそこからとは分かったが特定するのは難しい。しかしこの患者さん、数年前に2回目の内視鏡で出血源を突き止め止血処置をしている、今回も1回であきらめる私ではない。しばらく絶食点滴で我慢してもらい今度出血したら絶対見つけてやるぅ。

11月号の鹿児島県医師会報を眺めていたら、「退会」欄に二人知っている先生がいた。一人は枕崎の病院の大御所だった街一先生で、直接話をしたことはないが、鹿大第一外科出身で可愛いんだ理事長の先輩にもあたり青雲会病院の忘年会に毎年来られていてお顔は知っていた。もう一人は人藤斎先生で、9月4日に亡くなられていた。人藤斎先生は循環器が専門で出身科も違うが、学生時代にバスケ部のコーチをしてくれたことがありお世話になった。それとは別に、そのころの私は自分が医師を目指す意味が持てない頃で、先生に正直に「医師という仕事にあまり意欲も興味もない」ということを口走ったことがあった。すると先生は「何を言っている。医師という職業は自分がちょっと頑張ればすぐに患者さんに反映されて結果が出るもんなんだ。それって他の職業よりずっとやりがいの持てるいい職業なんだよ」と諭された。それは非常に印象に残っていて「なるほどそうか」と納得したのだった。

出水のスチョル先生は大学病院時代に人藤斎先生が直接の指導医とのことで、最近呼ばれて自宅までお見舞いに行ったんだそうだ。末期の病気で「もう助からない」と言われたんだとか。私が医師になり大学病院ですれ違った時には「おお、こてる君」といつも声をかけてもらっていた。確かまだ70歳前半くらいでだったはずだが残念だ。ご冥福をお祈りいたします。

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