うひひ、毎回消化器内視鏡の話題を続けているが、昨日の下血患者は大腸憩室出血でちゃんと出血源を見つけたのよ〜。
ほぼ出血は止まっていて出血源は見つけにくい状況にも関わらず、丁寧な観察で横行結腸にあった憩室が犯人と突き止めた。最初見つけた時はまさに露出血管って形状で正直嬉しかった。見つければこっちのもんだから・・。
上の写真を見ればまあ素人でも穴ぼこの中に小さな露出血管があってこれが出血源と分かるかと思う。で、この後、手順通りにクリップを掛けて、スコープをいったん抜き、結紮ゴムデバイスを取り付ければ終わる。10分もかからないはずだった。だがクリップを掛けようとしてちょっと目を離した後、私はその出血源憩室を見失なってしまったのだ。「あれ、さっきこの付近にあったはずなのに・・」と探すも見つからない。回盲部に戻ってスコープを引き見直すもなくて、ついには直腸にまで来てしまった。はあ?スコープを置いてパソコンの内視鏡写真をもう一度見直したりした。上行結腸から横行結腸に絶対あるはずと思ってさらに二度三度見直したかな。ようやく見つけ直した時、上の写真とは全然違う形状に見えた。ていうか、正面視出来ていたのが言わば横顔しか見られなくなっていたのだ。今度は見失わないようにすぐ近くに目印クリップを掛けておいた。↓の黄色矢印がさっきの憩室だったのだ。憩室の存在すら分かりづらくなっているではないか。送気やスコープのねじれなどで簡単に見た目が変わってしまうんだ。ここまで来るのに30分も経過していた。
憩室に直接クリップを掛け、その後ゴムバンド結紮法(EBL)を実施した↓。大腸憩室出血の専門家を自認する私でもこの疾患は全く油断ならないと改めて思うことだった。
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