2022年7月23日土曜日

ストレスに陥った日直

昼前に来た腹痛患者はやや重症の人だった。採血、腹部CTで特定した疾患名は私の専門外、しかもほとんど初めて診た疾患で、入院して治療しようにも自信がない。治療を引き受けてくれる上位病院に転送を依頼することにした。

まずは市内の国立のセンターに依頼した。その患者は数年前にそのセンターで心疾患の治療を受けたことがあったからだ。しかし私に言わせればちょっとしようもない理由で断られた。それで市立の病院や大学の病院、民間の病院にあちこち電話をしたが、即OKの病院はない。救急を診る病院にも電話しようかとそこのホームページを開けたりもした。市立と大学が一応相談に乗ってくれ、民間の病院は「コロナ発生で現在受け入れ不可」とのこと、いやはや八方塞がりになった。

半ば、入院させて自分で治療していくしかないか・・と覚悟していた頃に、大学から電話が来て「こちらで診ましょう」とのことでホッとした。コロナは来院時に最初に調べてPCR陰性を確認していたし、すでに紹介状やCT画像のCD-Rなどデータは揃っていたのですぐに見送ることが出来た。いやー、転送が決まるまでの2時間ほどは強ストレス状態だった。外来患者や内視鏡患者がたくさんいる忙しさよりもどのように対処していいか分からない一人の患者を抱える方が医者としてはストレスを感じるものなんだ。

それとコロナ感染が重症化する人は少ないのに今の基準のままで対応するとなると、今日のようにコロナ患者よりきちんと診るべき患者が後回しにされる懸念が出てくる。コロナも発生数ばかりでなく重症患者、死者数で対策を語るようにしよーよ。

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