今日で「こてる日記」を開始して丸22年になった。基本1日も欠かしてしないのでもはやライフワークだな。
さて内視鏡は今日もERCPをすることになった。初老の女性患者を胆石胆嚢炎で入院させたが、詳しく調べると総胆管にも2個ほど胆石が落ちているのが分かった。となるとERCP手技の出番だ。総胆管の出口の十二指腸乳頭を切開拡張し管内の結石を排石する手技をするのだ。これがスムーズに運び、30分ちょっとで予想より早く終了できた。↓こんな結石が出てきた。ちょっと気持ちいい瞬間だ。
そんなわけで16時前くらいからヒマになった。たつやましたDrも特にすることがなく、麻雀談義などしていたのだが、外来担当の東洋Drが「S状結腸軸捻転の患者がいるんです」とやって来たじゃないの。あいちゃ。内視鏡治療手技にはいくつも種類があるけれど、S状結腸の捻転解除は好きな手技じゃないのよねー。絶対ウ〇コ内視鏡になるもん。先月末もあってあまりに腸が長くいったんは解除を諦め、翌日、長尺の大腸内視鏡を借りてどうにか元の形態に戻すことが出来たのだった。ただ東洋Drは自分がチャレンジするとのことで、ならばと私はいくつか注意すべきポイントを教えた。まずは脾弯曲部まで到達させること、スコープを解除する際は引きつつloop(ループ)をできるだけ小さくすること、解除方向が左回りか右回りかをちゃんと判断すること、その際は力を入れゆっくり解除することなどである。特に逆αーloopといわれる捻れになっている時は左捻りに解除しなければならないが、右捻りよりやりにくいので気を遣う。「こんな感じ」と私がやってみせると、東洋Dr「お、麻雀ですごく高い手をツモった時に上がり牌を卓に叩きつける要領ですね」との反応で「そう!リーチ一発ツモタンピン三色ドラいっちょの倍満クラス」と私も悪ノリした(⌒о⌒)。
で、しばらくは内視鏡室でたつやましたDrといて、「では私はそろそろ。その前に東洋Drの捻転解除をちょこっと見てからにします」と彼は出て行った。しばらくし、私は病棟への指示出しをしていたのだが、レントゲン室から福緑Nsがやって来た。「先生、捻転解除どころか下行結腸へも進んでいきませんよ」ということは、私に代わって欲しいという合図だ。やれやれ仕方ないなとレントゲン室に向かってみると、なんと大腸内視鏡をしていたのは東洋DrではなくたつやましたDrだった。ちょいと見るつもりが交代して「私がー」になったようだ。
すると、ウ〇コまみれの大腸管腔をどうにか進み、下行結腸を過ぎて脾弯曲に到達できた。これなら解除は出来そう・・が、やはり逆αーloopの解除に失敗した。私も放射線防護服を着て室内に入りたつやましたDrの手技を見守った。10分ほどでまた脾弯曲に届いたので、今度は解除を失敗しないように「そう、そこまで引いて・・左に捻る・・」と声を掛け続けた。で、どうにか上手く解除出来たように見えたがするりと抜けたようにも見え、確認のためまた深部挿入をしてもらった。すると3度目は間違いなく捻転は解除出来たと確認出来た。ふーー。私の手を煩わさずに完遂出来たよ。やったね、たっつん。↓上が逆αーloop状態のスコープ、中が捻転解除直前のスコープ、下が完全に解除され脾弯曲まで直線化された大腸。こんなにも短縮化される。
「S状結腸捻転、初めて解除しました。ありがとうございました」とたつやましたDrに感謝された。私も自分がしなくて良かったと思った。後輩Drが自力で出来たことで、また次につながるんだよー。よしよし。
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