5階病棟の東方草子Nsから「先生、ちょっと聞きたいことが」と質問を受けた。彼女に滅多に話しかけられることはないので何事かと思いきや、「子宮頸がんワクチンの接種についてなんですけど・・」と来た。年頃の娘がいるらしい。今度の9月までに打たないとその後補助がなくなるとか、それにそもそも打たせた方がいいのかと少し悩んでいるらしい。ほう、よくぞ聞いてくれた。私の答えは決まっている。
「絶対に打たせるべきだ」
彼女が私にその可否を尋ねてきたのは、3年前の病院朝礼で私が「子宮頸がんワクチンは必ず打たせて下さい」と職員に向かって強くアピールしたことを覚えていたからだった。あの時は私はこてる日記でもたびたびワクチンに対し、不安がったり、反対したりする意見に真っ向から反論してきた。最近でこそコロナワクチンへの不安や反発は見聞きしないが、子宮頸がんワクチンについては2013年に起きた「副反応もどき」事件と厚労省の愚かな「接種の積極的勧奨控え」発言のせいで躊躇する親御さんや女子が多く、接種率の低さが改善されないままなのだ。日本のマスコミも今でこそ接種する方がいいとは言ってくれるものの、まだ副反応のことを一応添えて報じている。子宮頸がんはワクチンで克服出来る疾患だと証明されていてすでに結論は出ているのにー。
そしてある世代の女子は、実質今度の9月までにワクチン接種開始させないと公費助成が受けられないことになるのだ。具体的には平成9年度生まれ~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女子。国がそれら女子にワクチン接種を受けていない人にタダで子宮頸がんにならないワクチンをタダで打たせて上げますよということ。なぜその年代の人たちかというと、これは厚労省が誤った勧奨控えをしたせいで受けなかった(その世代の99%にあたる)からで、厚労省が「すみませんでした、私たちの判断が間違っていてワクチンの恩恵を受けられなかった人たちを救済します」ってことなのだ。ワクチンの値段は最新のシルガードだと半年間で3回接種分が9万円近くもする。ちょっと前のタイプでも4万5千円くらいする。打てば子宮頸がんを9割くらい予防出来るし9万円もお得だ。癌はなって治すよりならずに済ます方いいに決まっている。(厚労省の子宮頸がんのサイト→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_catch-up-vaccination.html)
だから、「絶対に打つべし、打たせるべし」と簡単かつ力強い結論なのである。私は東方さんにこうも言った。「いいかい。ワクチンが怖いと言ってる人たちは『ワクチンなんでも反対派』という一種の宗教を信じている人たちなんだ。そんな宗教活動にダマされてはいけないよ」
日本で毎年子宮頸がんになる女性は1万人以上いる。そのうち2800〜2900人が亡くなっている。さらに言えば20代から30代で癌になるのは乳がんを差し置いて子宮頸がんが1位なのだ。子宮頸がんワクチン接種が進んだオーストラリアではこの癌になる女性が急激に減って来て珍しい癌にすらなってきているというのに・・。あのワクチン接種で車椅子になったという女子たち、実はワクチン接種がされなくなっても同じような症状を訴える女子は毎年ほぼ一定割合でいるのだ。子宮頸がんワクチン被害はワクチンにとって濡れ衣だったことも証明されているのに、一般の日本人の子を持つ親たちはあのイメージを抱き続けている。頭で考えずに情に流される日本人のなんと多いことか。
こてる日記は他の有名SNSで何万何百万という多くのフォロワーを持つサイトではない。しかし少しでも今日の日記を読んで、愛する娘たちや対象女子本人が子宮頸がんワクチンを接種し癌にならずにすんでくれたら書いた甲斐あったというものだ。
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