医局会での私のレクチャーはスムーズに発表し終えた。ラブカメ先生から「照射後の放射線直腸炎の発症率はどのくらいあるんですか」という質問は想定内で(いかにもありそうな質問でわざと発表の中ではしゃべらなかった)、「以前は20%くらいあるというデータがあるが最近の陽子線治療後はもっと減っていると思われるも正確なデータは見つからなかった。ただ数%くらいはあるという意見である」と答えた。↓が陽子線治療後出血とアルゴンプラズマ止血(APC)後の直腸の様子。
滞りなくレクチャーが終了し、会議室を出たら、某Drが話しかけてきた。「陽子線治療の前に大腸内視鏡とかで検査しておく必要がありますか」これには「いいえ、特にする必要はないですよ。治療が終わって数ヶ月から1年くらい経った頃に下血があればその時は内視鏡を受けた方がいい、それだけです」「実はですね、私、つい最近陽子線治療後を受け始めたばっかしなんですよー」な、なんと(゚o゚;。陽子線治療で3週間ほど指宿のセンターまで通い始めているとか。そりゃ、男性で今一番多い癌と言えば肺癌か前立腺癌だ。死亡率では肺癌が圧倒的だが、罹患率では前立腺癌が一番多いのだ。身近に罹患している人がいてもおかしくはない。
その会話が終わったやいなや、週1非常勤のヨシダーキDrが「すみませんこてる先生、実は義理の父のことなんですがー」と来た。前立腺癌の放射線治療を受けた後下血があり、かかりつけのクリニックで止血剤を処方してもらい、一時は止まったもののまた下血してきているという。そこのクリニックの先生からはアルゴンプラズマ止血のことなど全く聞いてはいないとも。それを聞いて「内視鏡治療に疎い一般の先生は多いです。おそらく放射線直腸炎の出血を起こしているでしょうから、ぜひ青雲会病院で内視鏡をしましょう」と、院長室の電カルで私の内視鏡担当日に検査できるよう予約を入れた。
いやはや、さっそくもレクチャーの効果が現れている。この日記を読んでいる人で同じような症状に悩んでいる人はすぐに青雲会病院を受診しましょー。
0 件のコメント:
コメントを投稿