毎年、夏は暑いが、今年は特に暑い。室内から外に出るとムッとした暑さにげんなりしてしまう。カールが「今年は庭の夏野菜が全く出来ない」とぼやいている。「ほら見て、トマトの実が1個しか赤くなっていない」と指をさす。「朝、水をやるのだけれど昼には乾いちゃってドライフラワーになっている!」と驚き、それに「バジルも日が当たりすぎて葉が硬くなっているわ」という。市販の野菜の値段もが上がっているそうだ。「でもナスはそうでもないのよ」ということで、ナスはインドの高温多湿の地域が原産地なので日本の暑い夏もへっちゃららしい。そうか、それは知らなかった。
室内にいてもエアコンを付けるのは必須だ。たまに窓を開けてみるんだが暑さと湿気ですぐに窓を閉めスイッチを押す羽目になる。田舎の老人たちがエアコンを嫌がって、結果、熱中症と脱水症になって病院に搬送されてくるケースも多い。エアコンも電気代のことや適温にしないと寒がったりして付けたがらないようだが、これほど暑いと命の値段と比べなければならず「電気代の何万かくらいはケチったりするもんじゃないわ」とカールは言う。「実は家の冬の暖房と夏の冷房を電気代で比較すると夏の方が半分以下なのよ」と家計簿を見て私に教えてくれた。具体的にこてる家の去年今年の7月の電気代は1万円前半で済んでいるんだそうだ。
徒然草には「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。」との一文がある。夏に過ごしやすい家づくりをしないと住みにくいと語った文章だ。実際、私がまだ幼い頃、田舎の家で夏は風通しを良くし裏の北側から「いい風が来るねぇ」とアキエ母ちゃんが言ったの思い出す。夜は部屋に蚊帳を張って蚊取り線香も焚いて窓は開けて寝たものだった。その分、冬は寒くてデンシロー祖父ちゃんといっしょの布団に入りお互いの足をからませて寝たこともあった。祖父ちゃんが電気毛布も使ったことがあったがあれは最初はいいものの途中から熱すぎてどうにも我慢出来なくなる代物だった。
日本の夏の過ごし方もこの50年で一気に変わった。電気が使える限り「夏はエアコン」に限る。ただ、なんだか素っ気なくて随筆やエッセーには向かない話題だわな・・。
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