2023年5月28日日曜日

鹿児島県総合防災訓練

鹿児島県総合防災訓練が姶良市であり、姶良郡医師会も参加することになって、青雲会病院のスタッフ2人といっしょに参加した。姶良市での訓練は実は2019年の今頃に実施予定であったが、こてる日記ネタにもなったように、前日の屋久島での水害発生で中止になっていた。また2020、2021はコロナで中止になり、昨年は大隅方面で実施されたので姶良郡医師会からの参加はなかった。

今回は集合時間が午前7時半からということでずいぶん早い。場所は加治木の加音ホールとその近くの運動場だ。災害の想定は数日続いた雨で地盤が緩み、大雨洪水警報が出される中、震度6強の直下型地震に襲われ、各地で甚大な被害が発生したというもの。それが午前8時から20分にかけて起きてくるので早めの集合だったのだ。姶良郡医師会からはおーい病院、サンキュー病院も参加で二手に分かれ、私たちは救護所でのトリアージと初期対応へ、おーい病院の泣かん薗Drらは被災住民がやって来る加音ホールで健康相談に回った。どっちかいえば私たちの方が防災訓練っぽかったかな。昼前まで行われ、屋外で後半は日差しも強くなり少々疲れた。

夕方のNHKローカルニュースではこの訓練が取り上げられていて、加治木港で水難に遭った人を実際に救って搬送するシーンが出てきたが、この人、私たちのテントに運ばれて来たのだ。

実際に救急車で運ばれて来たその被災者(模擬)を簡易ベッドに寝かせ、さっと診察しまずはトリアージをする。トリアージとは「多くの傷病者らが居る状況において、傷病の緊急度や重症度に応じた優先度を決めること」で、軽い方から「緑」「黄色」「赤」「黒」の札(タグ)を付ける。歩行可能で今すぐの処置や搬送の必要ない人は「緑」のタグを付け、治療は急がない。歩けないが基本的にバイタルサインが安定しているものの、早期に処置をすべき人は「黄色」にする。ただし、状況によっては次の「赤」に悪化する可能性もある。その「赤」は生命に関わる重篤な状態で一刻も早い処置をすべき人で救急車を要請する必要がある。「黒」は明らかに死んでいる人だ。↓が最初の救急搬送。
救急車から降ろす時、担架がガクンと落ちて崩れそうになった。本来なら救急隊員が行い問題ないはずが看護師や医師だったせいか慣れていなかった。
この搬送された人は震えていたので「もしかして本当に海に落ちていたの?」と尋ねると「そうです」だって。ベッドも水で徐々にびちょびちょになってきていた。本当に低体温ゆえに毛布を被せないとーとなった。後で↑のニュースで手を振って助けを求めていたのを見て、訓練とはいえ大変だったんだと思ったよ。

訓練は医師看護師だけでなく消防、警察、自衛隊、県や市の職員などなど100以上の組織と1000人を超える参加者がいてあちこちで行われていた。
ドローンで物資を運ぶ訓練もあった。

姶良郡医師会は災害派遣医療チーム(DMAT)が現場に来るまでのトリアージや治療を行い、DMAT登場後は業務を引き継ぐ役目である。訓練が終わって帰り際、ずっしりNsが「先生、うちにはこんな災害医療向けのリュックがないんですよ」と言ってきた。「だからこんなちゃちな紙袋に聴診器や手袋など入れて持って来たんです」と。
うーむ、そりゃいかん。天災は忘れた頃にやって来る。いざという時にそんなんじゃ見た目も実用にもならない。買ってもらわねばねと言いつつ、帰ろうとして消防本部のテントを通り過ぎる時、ガサッと音がして見ると、手足がちぎれた人の死体が・・ギョッとした。
はあ・・トリアージ用に作られた人形だったわ〜。緑と黄色のタグが取り外され、先端が赤色だから緊急治療が必要な「赤タグ」だとすぐに分かる。ふむ、これも訓練の成果だったネ(⌒о⌒)。

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