2022年12月7日水曜日

降圧剤飲まなきゃ

世間には血圧を下げるサプリなるものが宣伝されている。私などそんなものにお金かけるなんてもったいないというか他にもっと良い方法がありますよと言いたくなる。何てことはない、日本の健康保険を使って医療機関を受診し降圧剤をもらえば済むことなんだ。効果が弱く、製品の精度も劣るのに値段ははるかに高いサプリを飲む必要がどこにある。

ある調査で一番人気を言われているサプリは1ヶ月分で5700円ほどもするようだ。降圧剤ならばクリニックや病院を受診し診察代と処方箋代と薬代を払っても3割負担で月1千円程度だ。2、3種類服用でも2千円もしないだろう。そして降圧効果は確実で、副作用についてもどのくらいの頻度で出現するかなど詳しいデータや調査があり対処もしやすいのだ。実際のところは降圧剤の副作用ってほとんどない。実際、私が15年ほど飲み続けても何もない。

まだサプリを飲もうという人たちはましな方だ。外来で高血圧の患者に降圧剤を勧めても躊躇する人が多い。特に40代、50代の人には強く勧めるのだが「もう少し考えさせて欲しい」とか「食事や運動で・・」と逃げる。そんな人たちに、私は「食事療法や減塩で下げた血圧と降圧剤で下げた血圧とどっちがいいか知っているか?」と尋ねるようにしている。普通に考えれば「食事」と答える。ならば「内服」が正解かというとそうでもない。答えは「どちらにしても結果血圧が低い方がいい」が正解だ。要するに減塩だろうが降圧剤だろうが、血圧は結果低ければ良い結果が出る(合併症も少なく、寿命が伸びる)のだ。ならば確実で簡単な降圧剤を飲む方が大抵の場合はまさるのだが、健診やドックで高血圧を指摘されても「食事で頑張ります」といって1年後来てもやはり高いままの人がほとんどで、1年2年、はては10年も放置という人たちがなんと多いことか。

私は今日、これを書いたのは、午後の救急当番で意識不明で運ばれて来た年配の御婦人が脳出血だったからだ。

どうも降圧剤を内服していた形跡はなかった。最近のように急に寒くなると日頃やや高い程度の血圧の人も瞬間170から190まで上昇することもある。ちょうどYahooでも「降圧薬を服用せず脳内出血を発症し」というタイトルで薬を飲みたがらない傾向の人たちに警鐘を鳴らしていた→https://news.yahoo.co.jp/articles/02d88cd710aa3afe576b46ef53cfbec75b044812。「一生飲み続けなくてならない」ということを嫌がり飲まない人も実に多い。高血圧放置プレイは脳、心臓、腎臓などの病気の大元凶なのに「降圧薬の副作用が・・」だって?高血圧放置の副作用(合併症)の方が10倍悪い!んだ。Yahooに書いていた専門医は「科学的根拠がないのに降圧剤が悪いと勘違いしている人が多い」と嘆いていた。

今日倒れた御婦人は命は助かるかもしれないが麻痺や失語症などの後遺症は避けられない。まだ命があるだけでもいい。10年ほど前運ばれて来た50歳そこそこの婦人は出血範囲がひどく確か入院翌日には亡くなってしまった。事前に降圧を強くDrに勧められていたが聞き入れなかったそうだ。降圧薬には問題があるとか言っているサイトは怪しんだ方がいい。別のサプリを勧めているならなおさらだ。高血圧に降圧剤が有効との事実には莫大で詳細なデータがいくつもある。十分信頼するに値する。「高血圧、降圧剤飲まなきゃそん、そん」これをしっかり覚えておいて欲しい。

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