2022年12月11日日曜日

薬不足問題、誰が悪いんだい

日曜朝のテレ朝のニュース番組で薬不足問題が特集されていた。

約40種類もの薬の供給が不足して病院や薬局が困っているとのことだ。ていうか、うちの病院でも毎週のように院内メールで「〇〇薬が不足していて代替品が△△になります」とか「××が現在入って来ません」などの連絡がある。なんでこんな事態に陥ったのかというと、厚労省が押し進めたジェネリック医薬品の使用増加がまず背景にある。なのにジェネリックの会社はコストを抑えるために製造ラインの縮小や決まり事を無視する傾向があった。そんな中、昨年2月に発覚したジェネリック医薬品会社小林化工の製造不正事件が起きた。水虫の薬になんと睡眠薬が混入していたというのだ。これがきっかけで他の製薬会社もそれこそゾロゾロと不正や不祥事が発覚した。昨年は業務停止命令が何と11社にも及び、中でもジェネリック大手の日医工が摘発されたのが大きかった。青雲会病院でも日医工の薬品はよく使われている。これでジェネリック薬品に頼っていた(厚労省の方針で頼らされていたというのが正しい)医療業界は薬不足に陥ったのだ。
ジェネリックがなければその薬の先発メーカーがまた作ったらという話には、特許が切れジェネリックが増えて来た現状では先発メーカにもすでにうま味がなく、他の薬に力を入れている。今さら作れないってことだ。
昔からジェネリックについてはそれを嫌うドクターや医療関係者がいた。品質に対する不信感や安定供給への不安からだ。私の友人医師も「オレは(ジェネリックは)使わない」とよく言っていた。またもう30年近く前だが、ある有力先発メーカーのMRから「ジェネリックの会社は精製に例えば4回かけるところを3回で済ましている」など、非難めいた発言を聞いたことがある。そういった製造手順書の見直しを今後きちんと徹底させるということでこれには少し時間がかかり、関係者の話ではこの薬不足改善が解消されるのはあと2、3年はかかるのではないかということだ。
はあ、2、3年ってあんた、どんだけ我慢させるんよ。でも厚労省は何も責任は感じていないだろうな。決まりを守らなかったジェネリック製品会社が悪いくらいにぬかしているかも。でも安かろう悪かろうの風潮が残っていたジェネリック業界なのに「先発品と品質は変わらずお値段はリーズナブル」だから使いましょう、と利用者と医療業界両方に推進していったのはどこのどいつやと言いたくなるわ。

ま、今回の騒動で製剤品質と供給体制の両方の安定化が進めば雨降って地固まるでいいことだ。でもそれまでは薬品&医療業界、そして患者さんは我慢かぃ?・・はぁ。

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