鼻の穴の空気の通り道を鼻道という。上鼻甲介(じょうびこうがい)、中鼻甲介、下鼻甲介という3つのヒダ(甲介)があってそれらの3つの甲介によって区切られた空気の通り道を上鼻道、中鼻道、下鼻道という。このうち上鼻甲介は小さくほとんど確認できず、内視鏡を入れる場合は、中鼻甲介、下鼻甲介を目印に中鼻道か下鼻道の2コースを利用する。人によって中鼻道か下鼻道かのどちらかが大きく、だいたい半々くらいか。そういった解説が医学書にあったらしい。しかし、それを読んでいて彼は「ハッ」となった。内視鏡で見ると中鼻甲介はその名のとおり鼻腔の真ん中にあるが、下鼻甲介はその名前とは逆に画面の上の方に見えるのである(上図参照)。私は経鼻内視鏡を始めた時に「あ、下鼻だけど画面では上に見えるんだ」と理解していた。ところが、たつやましたDr、上にあって見えるので勘違いしてカルテに「上鼻甲介」と書いていたのだ。内視鏡の挿入コースが後日の検査でも参考になるようにー。私なんぞ、右鼻か左鼻かは書くが、中鼻か下鼻かは記録していない。彼はきちんと記録しておかねばと書いていた。しかし1年以上も間違って記録してきたのだった。がーん。頭かきかき、恥を忍んでそのことを私に伝えたのだった。
でもそういうことってみんなあまり言わないけれどよくあること。例えば「思惑」という言葉があるが、私は昔、これを「しわく」と呼ぶものだと思っていた。幸い、人前で使う前に読み間違いに気が付き、恥をかかずにすんだ。また大学内視鏡室での同期の某Drは「易出血(いしゅっけつ)」を「えきしゅっけつ」と内視鏡室の検討会で言っていた。また、ずっと以前ネタにしたのが、某Drの「七(しち)」を「ひち」と発音する勘違い。しかも半世紀以上に渡ってだったという。ま、そう発音しても世間的には許容範囲だから〜。ただ、たつやましたDrのケースは学問的には明らかな間違いなので人前で言わずに済んだのはよかった。でも電カルに書きまくったこのミスは今さら書き直せない。くーっ、ちょっと恥ずかしいかなー。
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