夕方、近隣のキスマンクリニックから患者紹介があったのよ。高齢男性で昨日から下血があってまだ止まらないって。下血となればそりゃうちで診ないと。で、採血の後すぐに大腸内視鏡を行った。挿入してすぐ直腸からの出血だと分かった。ただ、あまり見ないタイプの出血で小さな粘膜裂傷からじわじわ血が出てきていた。でも止血のテクはそう変わったことをするわけでなく、クリップや止血剤注射などでどうにか血の勢いは弱まった。
検査施行中にも周囲のスタッフは「この患者さん、入院ですよね」とそのためにテキパキと動き始めた。家族に入院手続きを促し、病室の確保、そしてこの御時勢ゆえコロナのPCRチェックだ。で、内視鏡もそろそろ終わろうかという頃、激震が走った。
「先生、コロナ陽性ですって」
な、なに!発熱もなかったし風邪症状もなかった。念のため再検査を指示もやはり陽性でコロナなのは間違いない。これは困った。内視鏡とコロナ両方を診るのはうちでは難しい。例えば夜間下血があってもすぐには対応出来ない。そこで数日自宅安静、しかも絶食でとの指示で切り抜けることにした。もし再下血があればその時は鹿児島市内の上位病院に行ってもらうしかない。それは家族も納得してくれ良かったが、濃厚接触者になった私たちスタッフは少々慌てた。防護服を着て検査しているとはいえ内視鏡室は換気は良くない。窓を開けびゅうびゅう風が入って来る中、私は少し震えながらもカルテ記載や返書など書いていった。キスマンクリニックの院長にも電話連絡した。少しビビっていたな。
明日も勤務の私などは勤務前にPCRを受けること。月曜から勤務のスタッフは有症状者が抗原検査を受けることなどを念を押し、皆帰宅した。
帰宅してからは、マスクは外さないのはと当然として、カールと直接接触しないように食事し会話も最小限。カールは台所で食事をしたよ。
2階の今は使っていない子ども部屋に私は移動することになった。小机と電源はあるのでネットは出来る。布団もあって食事以外はここで生活できるわ。ただ、暖房がなかった。エアコンはあるが24、5年前のものでしかもここ10年以上使っていない代物だ。結局そのままベッドに寝る羽目になった。はあ、準家庭内別居もやはり面倒だわ〜。
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