愛乱病院から肝機能異常の患者の転送搬入が来るのを救急入口で待っていた。その患者さんは当院には全く初めてなのですぐに登録して患者番号を作らねばならない。それで医療事務の森舞さんも待っていた。彼女はいつもは病院支給のアロハではなく自前のアロハを着ていた。「珍しいね」と声を掛けると「某先輩からもらったんです」という。ハワイ土産とのことだ。なるほど。
ただそれを聞いて「某先輩みたくならないようにね・・」と少し縁起でもない発言をしてしまった。某先輩は結婚して1年ちょっとあっという間に離婚してしまったからだ。すると森舞さんこう質問仕返してきた。「先生、結婚して良かったと思いますか?」おやまあ。「ああ、良かったよ。でもなんで?」「いや、同じ質問を職員にしたんですが・・良かったと答えたのは先生が初めてです」という。ええー、そうかあ?!「病院には離婚して働いている人が多いからじゃないか」と言うと「いいえ、みんな今も結婚している人に聞いたんです」とのことだ。おやおや、ホントかなぁ。でも結婚してまだ3ヶ月ちょっとというのにそんな質問をするとは大丈夫かな。相手の男性は全く知らないが同級生だと聞いた。だとすれば付き合いは相当長かったはずで、新婚といっても新鮮さはないのかも。それにしても結婚して良かったと答える人の少なさには驚いたぞ。帰宅してカールに同じ質問をしてみると「私は良かったわよ(もちろん)」と即答だった。うん、だよね。
今の日本の少子化問題、それはまずは結婚する人が減っていることが問題なんだ。一旦結婚すると平均2人くらいは子どもが出来ている。だから結婚する人たちを増やすべく何らかの手を打つのが理想だが、現代の若者からすると結婚という制度に魅力を感じないということなんだろう。先進諸外国では結婚しなくても子をもうける婚外子の割合がかなり高い。アメリカ34%、イギリス43%、フランス44%、ドイツ26%、その手の先進国スウェーデンでは56%と最初から結婚にこだわらず出産しても嫡出子と非嫡出子との間に全く法的差別はない。日本での非嫡出子は2%弱である。諸外国の男女関係が乱れているというわけではなく、男女のカップルが結婚に至るまでに同棲という事実婚の状態を経ることが多いこと、非嫡出子であっても法的に嫡出子とほぼ同じ権利を享受できること、結婚形式の多様化に対する社会一般の受け入れなどが背景にあるという。
結婚してからでないと子どもは産めないという風潮が続く限り日本での少子化問題はなかなか解決しそうにないと思えてきたわ。
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