2021年11月30日火曜日

「カサブランカ」いつ見る?「そんな先のことは分からない」ってか。

4階病棟で私の患者の病状報告を受けた。

「何、それって昨日の朝のことじゃないか。今頃か?」そして続けた「昨日って『そんな昔のこと』だよ」と。でも看護師は何にも反応しない。報告が遅れたことは置いておき、私は「知らないかぁ。今夜の予定を聞かれたら『そんな先のことは分からない』とか言うのだが・・」と言ってみた。しかし、ノーリアクション。

「君たち、『カサブランカ』って映画は知らないかな?」「知りませんー」「やっぱり。もう80年も前の映画だもんな」

ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマン主演の映画でそこに出てくる名台詞なんだがねえ。ボガード扮する酒場のオーナー、リックが酒場の女に言い寄られる。リックにその気は無い。そこで答える台詞が先の台詞でなんとも粋だ。私も使ってみたくこんな仕事で使ってはみたが全くの空振り。↓がその場面。


「カサブランカ」ってアメリカ映画は制作年が1942年だ。これって第二次世界大戦真っ盛りでアメリカは日本との太平洋戦争も始まっている。舞台はフランス領モロッコのカサブランカの酒場でヨーロッパからアメリカへ逃れたい人たちがやって来ていた。映画ではそこでのかつて深く愛し合った末に別れた女性との思いがけない再会と愛の再燃を描いている。何度見てもいい映画なんだよなぁ。白黒だとかありがちなメロドラマだとか言ってもいいものはいい。先ほどの名台詞の他にリックの言う「君の瞳に乾杯!」もいい。以前のアメリカ映画ではファン人気投票をすればこれと「風ともに去りぬ」が人気1、2位を争っていた。(評論家のベストテンでは「市民ケーン」がたいてい1位だった)

最近のアクションばりばりの映画などもいいが古びても名作はいい。飽きが来ないっていい映画の一番の条件でしょ。そこにいたマウントレーナNsに「見ていないんだったらぜひ見てごらん」と勧めると「ええ、見てみます」と素直だ。いい子だ。今はネット配信の時代になりつつあるけどこんな古いのも有名作品はきっと配信されているはずだが・・ちょっと調べると私の入っているUーNEXTとAmazon Primeにはあったは最新物が多いNetflixにはなかった。ううむ、若者にお勧めはNetflixだがちょっと残念。

かの有名な「カサブランカ」ですらほとんどの若者は知らなかったということは「風とともに去りぬ」もそうだろう。ま、私らの世代からでもこの2作は古い映画だったからしようがない。ああ、「老兵は消え去るのみ」・・か。

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