あ、そうか。カルテの上の方に小さく患者さんの生年月日、性別が載っていた。↓拡大。そうなのよ。この患者さん、なんと106歳。しかも男性。胃瘻造設した人の中でこれまでの最高齢だ。いや、私はこれまで受け持った患者さんで確か104歳が最高齢でこんなに高齢の人を診たことはない。寝たきりの超高齢患者に胃瘻までする必要があるのかという意見もあろう。しかしこの人は経鼻チューブを長らくしていてそれならば胃瘻にと家族の希望もあったそうだ。ここまで来たら少しでも長生きして欲しいということだろう。私はその意見に賛成する。チューブであろうが胃瘻であろうが、生きていることがすごいし素晴らしい。
大正4年というと鬼滅の刃の炭次郎が生きていた時代、NHK大河の渋沢栄一も高齢ながらバリバリで働いていた頃だ。第一次世界大戦が始まっていて、野球ではいわゆる夏の甲子園大会(その時はまだ甲子園球場はなく10年後)が始まった年でもある。私から見ればもう大昔の歴史の一コマでしかない。この御老人はその後の時代を経験しているのだ。まだまだ長生きして欲しいと手技を終えたことを思い出したのだった。
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