2021年11月29日月曜日

「おしん」嫁姑戦争舞台がやはり佐賀でなければならなかったのはなぜか

たつやましたDrに朝ドラの件で言われたのが「先生の日記を読んで(11月25日分「朝ドラ、朝イチ「まぼろし」の神回」)カムカムエヴリバディで亡くなったのがお父さんの金太だと初めて知りました。嫁と二人にそのことを話したら『そんなー』だったのですが、調べたらやっぱり先生の(書いたの)が正解でした」だった。

いやいや、私たちも勘違いしたくらいだから日本全国戸惑った視聴者は大勢いたことだろう。となると、復員したと見えた算太は生きているのか死んでいるのか、今のところどっちか分からない。まあそれにしても「カムカムエヴリバディ」は展開が早い。今日から息子を亡くした姑のいじめがあり、これからそれが散々続くのかと思いきや、15分後にはもう岡山から逃げて大阪で新たな生活を送りそうな感じだ。かつての朝ドラだったらあの「おしん」のように里の佐賀県の人たちから「佐賀の女性はこんなのではない」「県のイメージダウンになる」と抗議の電話が殺到するくらい描かれただろう。親娘三代の歴史を描くということで主人公も3人いて週5回半年で描き切るにはこれくらい早く進めないと間に合わないのだと思う。でもそれがせわしない現代の視聴者にはいいテンポなのかも。

そうだ、「おしん」での嫁姑戦争は作者橋田壽賀子によれば「佐賀でなければならなかった」という。それは意地悪な姑が佐賀に多いとかではなく、おしんの夫・竜三の最期を描くため「夫は武士道(佐賀鍋島藩の「葉隠」)の流れをくむ佐賀の旧家の末裔でなければならなかった」そうだ。覚えている人もいるかどうか、夫は戦争中は軍の恩恵で羽振りが良かったが息子や隣組の若者達を戦争に送り戦死させた責任を取り自決するのだった。なるほどねえ。「おしん」についてはいろいろ調べていたがこの事実は私も初めて知った。2019年の日経新聞「私の履歴書」で初めて橋田によって語られたという。

ストレスなく進むカムカムにしてもあの時代を描くとなれば戦争による悲惨さは避けられない。カムカムの金太も直接の戦死ではないがそれに近い。「戦争を知らない子どもたち」世代がほとんどの現代日本だが、今後もドラマだけでなく小説、映画、漫画などでずっと伝え続けていかなければならないことだと思った。

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