なぜか彼の病院の患者さんらは変なものを飲み込んでしまう。何か非常に困ったことが起きた時、自分自身に嫌気が差した時、彼らは自分を痛めつけたいという思考に陥るようだ。その時に飲んではいけないものを飲み込む。ある人は乾電池、ある人は歯ブラシ、スポンジなんてのもあった。東洋Drからは「千本もの釘を飲み込んだ」ケースの摘出に難渋したと聞いた。
ソーシャルワーカーから「愛乱病院の先生から内視鏡で異物除去の依頼が来ています」との連絡が入った。まだ若い女性患者が水道のネジを飲み込んだという。よく聞けば昨夜もネジを飲み込み、鹿児島のプーさん病院まで搬送され、内視鏡で取り出してもらったばっかりだという。なのにまた飲み込んだ・・。今朝はうちでも対応出来るので「どうぞ」だ。
病院に来てすぐにレントゲンを指示した。昨夜の場合は十二指腸の奥まで落ちていたそうだから確認はしておかないと。するとレントゲンから「胃のあたりには(ネジは)ない」と連絡が来た。なに?そんなはずは・・。飲み込んで1時間程度しか経っていないと聞いているぞ。それで胸部レントゲンも指示したところ↓、なんとまだ喉の奥、食道の第1狭窄部に引っかかっていた。ただ病院側も昨日の今日でまたもネジなんかを近くに置いていたのかと疑問に思ったが、実はここから↓取り外して飲み込んだと教えられた。スマホで撮った画像をさらに私がデジカメで撮ったものである。うーん、こんなのを外されたら防ぎようがないわな。結局、内視鏡入れたところ、確かに食道の狭窄部に引っかかっていたが内視鏡の嘔吐反射でプワっと吐きだしてしまった。取り出す際の鉗子はどれにしようかとか咽頭を傷つけないようにしないととか考えていたのが全くのムダに終わった。これなら指を突っ込んでも取れただろう。東洋Drが後から来て「え、もう終わったんですか。どのようにして(取りました)?」と尋ねて来たので「ふふ、高度な内視鏡テクで上手く取れましたよ」と煙に巻いておいた。ハハー。取り出した水道ネジは透明袋に入れて病院にお返しした。水道で水がでなくちゃ困りますもんね。
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