昨今の社会情勢でコロナ以外での私の一番の関心事は日韓問題である。特に日本叩きに異常な情熱を燃やす韓国及び韓国人を批判するYouTubeは毎日のように見ている。慰安婦問題、徴用工問題、竹島(韓国では独島)問題、旭日旗問題などほぼすべてに誤認とウソがまかり通って韓国及び韓国人の「日本は悪い」と全世界に向かって宣伝し日本を貶めようとする姿勢に我慢ならないのだ。
韓国の歴史教科書にはすでに間違いやウソと分かっている事実をずっと訂正せずそのまま掲載し続けているケースがままある(ありすぎていちいち例を出せないくらい)。日本ではあり得ない。伝源頼朝像や伝足利尊氏像は歴史研究が進んで別人の可能性が高くそれはきちんと教科書に反映されている。聖徳太子も後の称号だとして厩戸王(うまやとおう)か厩戸皇子(うまやどのおうじ)と呼ぶようになってきている。それらはきちんとした歴史的事実の研究からなされている。ところが韓国の教科書には例えば「日韓併合後、朝鮮の土地の40%を総督府に所有地として収奪された」と記している。ところが韓国のどの研究者もこの40%という数値を証明したことがない。1967年当時の国定教科書を書いた歴史学者たちが適当に作り出した数値だったのだ。具体例として、無知な農民は土地の所有権の申告書というものが分からず総督府にうまく丸め込まれて没収されたとあり、歴史の授業時間でこの部分に来ると、教える先生も教わる生徒もあまりに悔しくて皆泣いたそうだ。しかし朝鮮の農民は李氏朝鮮時代から500年間3年に1回は戸籍申告をいうものをきちんとやっており、申告書については「世界で一番訓練された民族だった」というくらいで、「申告書に対して無知だった」とはナンセンスな話で、40%も収奪されれば暴動が起こるくらいのものなのに、日本が戦争に負けて解放されたのに誰も「自分の土地を返せ」と叫ぶ人はいなかったし、土地台帳を保管している全国の郡庁や裁判所のどこにおいてもそのような騒動や請願は起こらなかった。もともとそんな事実がなかったからだ。にもかかわらず韓国の歴史教科書は50年以上も生徒らに教えてきたのだ。
以上の例は李栄薫(イ・ヨンフン)氏編著の「反日種族主義」の最初に出てくる一例である。ネットで知るばかりでなく2019年に韓国でもベストセラーになったこの本を一度きちんと読んでみようと思い、本日届いたのでさっそくアップしてみたのだ。
いやー、一気に半分ほど読んでみたが韓国の言うウソには呆れることばかりである。李栄薫(イ・ヨンフン)氏はソウル大学の教授で韓国経済史研究を専門にしている。「歴史に嘘をつくことはできない」と帯に力強く銘打っているように徹底した実証主義で韓国、日本のどちらの言い分が正しいのか検証してみせている。「はじめに」の部分で書いているが、韓国の多くの人たちに「日本と対立中だというのに、これでは国益に反する」と言われたそうだ。しかし氏は毅然として反論する。「私たちは学問を職業とする研究者として、そのような国益優先主義に同意しかねます。国益のためといって誤った主張に固執したり、擁護したりするのは、学問の世界では許されないことです」「そのような姿勢は、結局は国益さえも大きく損ねる結果を招くでしょう」「私たちは間違っていたと判明したら、ためらわずにミスを認め、直して行くつもりです」と言っている。立派だ。
私は2年ほど前かな、ソウル大学の学生らが明らかに誤った歴史認識を正しいと答えているのを見て「韓国一の大学といわれているソウル大も大したことない」と思った。なぜなら学問的に間違いを正しいと言えばその時点で信用されなくなる。しかしそんな国でもちゃんとした人はいるもんだ。
本の冒頭でイ・ヨンフン氏は「嘘をつく国民」と題し「韓国の嘘つき文化は国際的に知れ渡っています」と偽証罪、誣告(ぶこく)件数、保険金詐欺など突出しているとデータを出して説明している。「政治にも嘘つきが蔓延し、嘘を政争の手段とするようになったのにはこの国の嘘つきの学問に一番大きな責任があります」「私が見るところ、この国の歴史学や社会学は嘘の温床です」と語り、「この国の嘘をつく文化は、遂に司法まで支配するようになりました。裁判官たちが何が事実で何が嘘であるのか弁別できず、国の根幹をゆさぶるでらめな判決を下しています」と言い、一例として2018年の徴用工裁判での判決文での「当該事件の『基本的事実関係』に対する記述」を読んだところ、イ・ヨンフン氏は事実関係そのものが嘘だと思った。なぜかと歴史的事実を示した。ところが裁判官に原告の主張をきちんと検証した痕跡が認められず、こう言っている。
「嘘の可能性の高い主張を検証もしない裁判が果たして有効なのか」
裁判官は歴史家ではない、ならば関連の専門家を呼んで参考証言を聴取すべきではないか。嘘の可能性の高い原告の主張に対し疑いを持たなかったのは、彼らもまた、幼いときから嘘の教育を受けて来たためだからである。それを、国際人道主義を実現するという溢れるばかりの正義感と使命感で判決を下したのだ。それにより、この国家と国民がどれほど大きな代価を払うことになるか眼中にもない。「嘘をつく社会や国家は滅び行く」という歴史の法則はこうやって少しづつ実現されていくのかもしれない。
私が追記すると、今年1月8日に出た慰安婦問題の日本国へのトンデモ判決も、実は嘘なのに国際人道主義からみて出した韓国裁判官の判決なんだとある意味理解出来る。結果、この判決に韓国政府は困ってしまっている。氏の主張はまさに出版後の状況を予見している。
氏は韓国および韓国民を罵倒せんばかりに非難しているが、実は人一倍の愛国者でもあるのだ。氏は「韓国の民族主義は、西洋で勃興した民族主義とは別物です。韓国の民族主義には、自由で独立的な個人という概念がありません。韓国の民族はむしろ種族と言ったほうが適切です。隣の日本を永遠の仇と捉える敵対感情です。ありとあらゆる嘘が作られ広がるのは、このような集団心性に因るものです。すなわち反日種族主義です。」と言い、嘘の文化、政治、学問、裁判はこの国を破滅に追いやるのだ、だからそのような危機感を持って読者にはこの本を読んで欲しいと言っている。
この本は韓国でも少なからず売れたと聞いているがまだまだ浸透するには至っていない。日本はこのような韓国国民の集団心性(反日種族主義)がしばらくはもしくは永遠に治らないのならば、より積極的に反論、宣伝を国際社会に訴えて行くべきだ。黙ってばかりいると隣国の宣伝主張で幼い少女を強制連行し売春婦に仕立てたと本当に思われてしまう。屈辱ではないか。韓国の狙いは日本を貶めることにある。そうと分かれば日本も積極的に対処せざるを得ない。事実ならまだしも嘘で貶められては・・。
慰安婦問題で日本政府が謝罪したのは性奴隷にしたり強制連行したからではない。慰安婦募集と慰安所の経営に関与したのは事実だからである。しかし「挺体協」なる慰安婦関係団体は「公権力によって暴力で強要された性奴隷(←明白な嘘)」だといって宣伝、ロビー活動を続け、さらには国際問題化するための努力を続けているのだ。韓国の日本大使館前に少女像を建てるという暴挙にも出る。「挺体協」は世論形成に成功し本来なら国際的な条約であるウィーン条約に違反しているにも関わらず当時の韓国政府は少女像設置を傍観してしまった。それに味をしめ、釜山の日本領事館前を始め海外はベルリンにも建て、日本を貶めることに狂奔している。イ・ヨンフン氏は「まさに狂気の沙汰としか言いようがありません」と断じている。
さらに問題なのは、最近は「挺対協」も強制連行を云々言わなくなってきたそうだが、「どのように動員されようが、日本軍慰安制度の被害者である事実は変わらない」と主張している点だ。要するにとにかく日本は悪いということにしないと気が済まない。イ・ヨンフン氏は「日本軍慰安婦制を性奴隷と言うのなら、植民地朝鮮の公娼制も性奴隷と言うべきで、ひいては戦争が終わり解放後の韓国軍慰安婦や米軍慰安婦、民間慰安婦も性奴隷だ。日本軍慰安婦だけを切り離し性奴隷と批判出来る根拠はない」とも言っている。当たり前の感覚だ。もっとひどい例がある。ソ連軍はドイツが敗れた後、最小50万人から最大100万人のドイツ人女性を強姦した。それでもこの集団強姦は当時は何の問題にもならず、その後も冷戦などの複雑な理由のため歴史に埋もれたのだそうだ。ドイツが戦争を起こしたりユダヤ人虐殺をしたから仕方ないと言って良いわけはない。それでも政治問題化されずに済ませている。
話を韓国に戻せば、イ・ヨンフン氏は「朝鮮戦争を起こした北朝鮮に対して戦争責任を追及したことがありますか?中国のTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)報復に一言でも反論しましたか?完全にバランスが崩れています。」と自国民へ警鐘を鳴らしている。韓国がこのような「反日種族主義」であり続けるなら日本もそれ相応の態度をとり続けるねばならない。隣国同士、仲良くやりましょうよではいけない。韓国の態度を見るに付けそう思わざるを得ない。イ・ヨンフン氏が「このまま(反日種族主義)では国が滅びる」とまで警告するのももっともな話である。
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