2021年1月7日木曜日

トランプの終焉、カルトを信じてはいけない

 天気予報では雪が降るかもと言っていたが鹿児島市内はちらつく程度だった。同じ鹿児島県内でも降る降らない積もる積もらないの差があるようだ。サブアラドDrは病院が霧島にあるので「オレは2日病院に泊まる覚悟で行く」と言っていた。

アメリカでトランプ大統領支持者らが議会を襲撃する騒ぎを起こしたという。警官隊の発砲もあって死者がトランプ氏の支持者4人と議会警察の警官1人出たとか。いやはや米国民のレベルも下がったものよ。確か1、2ヶ月前かな、アメリカのおっさんが「選挙で不正があったんだぜ。なのに議会や警察はちゃんと調べようともしない。本当はトランプが勝っていたんだ」と息巻いているのを見て、全然冷静に判断出来ていないなと思った。不正があったと扇動しているのはトランプ本人だが、すでに指摘もあったように不正があったという確実な証拠は何も出てこなかった。私に言わせればとんでもない大統領だ。

なんでも「Qアノン」とかいうアメリカの極右が提唱している陰謀論があってそれを信奉している国民が結構いるそうだ。どんな内容なのかチラッと見たが辟易する内容だった。トランプもその手の信奉者を利用しているようだった。で、これってカルト教団のオウム真理教に似ているなと思ったら、オウム関係のジャーナリストで有名だった江川紹子さんがまさにそこのところを突いて「警戒すべき現象」と警鐘を鳴らしていた。

・・トランプ氏とその熱烈支持者は、分断を招く二元論的思考、陰謀論との高い親和性、現実を無視した独自の世界観、独裁志向といった従来からの傾向に加え、大統領選の敗北以降、過剰な被害者意識、極度の他責思考、目的のために手段を選ばないやり方など、その「カルト性」を高めてきた。カルトメンバーは、そのリーダーを絶対視し、それと共にある自分たちは絶対的な正義であり真実の側にいると信じる。都合が悪い事態が起きても、事実を直視し、「自分たちに原因があって問題が起きたのでは」と自省することはない。「それは事実ではない」と否認するか、「不正があった」「裏には○○がいる」との陰謀論に走る。

陰謀論はカルトにはつきものだ。彼らにとっては、悪いことは常に「自分たち以外の誰かのせい」。敵対する人達や正体がはっきりしない組織などが裏で動いたとのストーリーを作り上げ、それは「仕組まれたもの」であるとして、自分たちは悪の組織の「被害者」であると訴える。

カルト化した集団では、リーダーが選挙での負けを認めない以上、メンバーたちが「正義が敗北する」という「不正義」は受け入れないのは当然だ。トランプ氏は、直接この暴動を支持したわけではない。実際に行動に出たのは、支持者の中でも、元々過激な人達なのかもしれない。だがトランプ氏は、事前のツイートでこの日の集会が「ワイルドなものになる」と”予言”。集会では「選挙は盗まれた」と述べ、議事堂に向かい、「強さを見せる」よう訴える演説をしていた。

今回の暴動は、何としても投票結果認定の手続きを妨害したいリーダーの意向を、「目的のためには手段を選ばない」やり方で実現したもので、まさにカルト的集団らしい行動と言って差し支えないのではないか。トランプ氏からは当日、議事堂乱入を非難する発言はなかった。自身への批判が強まっている状況に焦りを感じたのか、翌日になって乱入を批判し、政権移行に協力する姿勢を示したものの、従来の陰謀論的主張を撤回したわけではない。・・・カルト的思考・発想に陥った人たちにとっては、具体的な「事実」よりも、自分たちの心の中にある「真実」、あるいは大事なリーダーの言葉が大事になる。そんな人々は、事実誤認を指摘されても、なかなか聞き入れようとはしない。

そしてここからが核心だ。江川紹子さんの筆も乗ってくる。

そういう人たちに、思い出して欲しい出来事がある。

1990年2月の衆議院総選挙に出馬したオウム真理教教祖麻原彰晃こと松本智津夫の言動だ。信者の住民票を選挙区に移動させ、像の帽子をかぶった若い女性信者を踊らせるなどの目立つ選挙運動を展開し、テレビにも取り上げられた。そのうえ有力候補者の選挙ポスターを剥がすなどの違法行為も展開。麻原は勝つ気まんまんだった。ところが、結果は惨敗。すると彼は、開票作業の「不正」を主張した。「票のすり替えがあった」と述べ、「国家権力」さらには「フリーメーソン」の陰謀と言い出した。信者たちは、これを受け入れた。具体的な事実、説得力のある根拠を示さないまま、「不正」を言い募り、陰謀論を展開する行為は、あの時のオウムの荒唐無稽な言動とどう違うのだろうか。

こうなればトランプの言動と浅原彰晃の言動は同類、いや一致していると言ってもいい。問題は怪しい新興宗教の教祖がやっていることではなく世界に冠たるアメリカの大統領がやっているということだ。かなり危険な現象ではないか。かつてのヒトラーも敵はユダヤ人だ共産主義者だと分かりやすい敵を作って国民を洗脳した。江川氏はこの手の陰謀論を放置してはいけないと言う。それはオウム事件で痛い経験をたくさんしてきたからだ。

根拠のない陰謀論を放置していれば、人々はそれに慣らされていく。ウイルス感染が広がるように、人々の心を汚染してもいくだろう。オウムが示していたカルト性を、私たちの社会は軽視した。メディアは、奇妙な集団として受け止めて面白おかしく取り上げたり、新手のサブカルチャーや新しい宗教の代表のように扱ったりした。そうして、多くの被害を出す集団になるまで”育つ”のを許してしまったのだ。これはアメリカの話だし、あれはオウムのことだから別の話と言って、今の事態を軽く見ない方がよいと思う。警戒しなければならないのは、カルト的な思考・発想に人々が慣らされ、無批判に流布していくことだ。今回の米大統領選のことに限らない。思想的な傾向が「右」か「左」かに関わらず、こうしたカルト的陰謀論は登場する。

最後にこうまとめている。

根拠なき陰謀論については、面倒でも「これは間違い」「これは根拠が示されていない」と一つひとつ、こまめに、忍耐強く否定していく情報発信を続けていくことが大切だと思う。そうすることによって、カルト的思考・発散の拡散に抗(あらが)いたい。今回の暴動には、トランプ支持を続けてきた陰謀論者「Qアノン」の信奉者やネオナチ、白人至上主義者として知られる人達が関わっていた。検察当局は、すでに関係者55人を訴追請求したと報じられている。捜査が進めば、その実態は明らかになるだろう。報道機関には、なるべく詳細に事実を報じてもらいたい。また、今は誰もが発信することができる時代だ。気軽に陰謀論を拡散している人には、それがウイルスをばらまくのに等しい行為だという自覚を持ってほしい。

カルト的思考・発想が流布するのを甘く見てはいけない。

なかなかの投稿記事だ。トランプへは本来は弾劾し解任するに値するが任期切れ目前ということでそれは免れるとのこと。アメリカも今後このような大統領を出してはいけないと対策を考えておかないと。4年後、彼がまさかの出馬しても勝たしてはいけない。そして日本もオウム事件の教訓を忘れずカルト的思考・発想の盛り上がりには十分注意を払わなくてはいけないだろう。

江川氏の投稿全文は↓にある。

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