2020年8月13日木曜日

ニセ医療を糾弾じゃ

 今日は午前中は内視鏡の仕事、午後は休みで早帰りだった。外も暑いが車を開けるとむっとして暑さが際立っていた。エンジン始動させると室内温度はなんと39℃を示していた。うげー。窓を開けしばらく換気する。エアコンも当然つける。車をスタートさせてから窓を閉め後はエアコンで暑さをしのがなきゃ。昔の人たちは三角窓を開けて風を取り入れ暑さをしのいでいたのか。桜島の降灰が降っていたら地獄だったろうな。↓昔懐かしい「三角窓」


せっかくの午後休みでいつものように巣ごもりでネット麻雀かと思いきや、来週朝礼のスライド作りを始めた。さすがにもう作り始めないと時間がない。

今回は「その医療情報信じていませんか」というタイトルで話をする。というのも今はネット上であまりに多くの「ニセ医学&医療情報」が大手を振ってまかり通っているからだ。効果のない薬や治療法がさも有効で素晴らしいと謳われ、無垢な人たちからお金を巻き上げている。多少のお金ならまだましだ。効果のないガン治療のために本来なら生きていたはずの患者が命を落とすケースもある。

例えば「がん免疫細胞療法」 、「ビタミンC大量点滴療法」などは効果がない(と断言してもいい)にも関わらず、自由診療だからと高額の治療費を取っている。「がん免疫細胞療法」 には保険収載されている薬剤(オプジーボ、キトルーダなど)もありそれらを使用している施設はいいとしてそうでない施設は怪しい。その他アガリクス、AHCC、プロポリス、サメ軟骨などはっきり効果が示されていないものもだめだ。がん患者は標準治療で治らない場合、どうしても「治りますよ」と言ってくれる人や施設にすがりたくなる。難治で精神的に苦しんでいる人たちを救済する意味合いがあるなら多少は存在価値はあるかもしれない。

が、某医師のように「がんの手術は寿命を縮める」「抗がん剤は効かない」「がんにはがんとがんもどきがある」「検診は無意味」「ワクチンは有害だ」と書籍や講演、雑誌記事などで盛んにアピールすると信じる人も多く出てきて、それがもとでステージ1の胃がん患者がそのまま放置し幽門狭窄して水も飲めなくなりその某医師を糾弾しているDrのところに相談に来たケースもあるという。ステージ3になっていたため、糾弾Drは患者に当然手術を勧めた。しかし患者は1時間経ってもなかなかウンと言わなかったそうだ。洗脳されているのである。結局どうにか手術を受けてくれ、それからは食事も摂れ生活が楽になり感謝の言葉を糾弾Drに伝えてきたとのことだ。

「健康食品」や「ダイエット食品」にも怪しいものがいっぱいだ。効果はないが害もないものありこうした物ほどうまく宣伝すれば儲かる。あまりに多すぎて私は「ヒアルロン酸」だけ取り上げることにした。ヒアルロン酸は膝関節の局注などでちゃんとした治療に使われてはいる。が、その内服薬が膝痛に効くとのはっきりした効能は証明されていない。私はこう例えて説明するつりだ。「ハゲの人に髪の毛を飲ませますか?ヒアルロン酸を飲むということはそれと同じことなんです」と。

他にも「気功」や「手かざし」もやり玉に挙げるつもり。これなんかはオカルトあるいは邪教の類いだ。でもそれをれっきとした医師がやっているケースがあるのだ。この場合本人が信じているからややこしい。善意あるいは信念でやっているため矯正不能、その医師の患者にならないよう気がついたら体よくお断りする必要がある。

ああ、例を取り上げればありすぎてちょっと収拾がつかない。今日はそれで数枚しかスライドは作れなかった。まあ今度の土日に時間があるからその時に作ろう。今夜は眠い、ふゎぁあ〜。

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