韓ドラ「ミセンー未生ー」(2014、全20話:tvN)を見終わった。5年前に途中まで見ていながら中断したままだったのだが、この前の「マイ・ディア・ミスター」と同じキム・ウォンソク監督作品ということで、やはり見ておかねばとUーNEXTで9話あたりから見始めた。
このドラマ、一言で言えば会社ドラマなんだが、韓ドラにありがちな設定、状況がほとんどない。韓ドラって会社物っていっても、結局財閥の御曹司が出てきたり、主役同士の恋愛が必ずあったり、それに出生の秘密、お約束の交通事故、記憶喪失など出てくることが多いが、全くと言っていいほどない。その代わりに総合商社のオフィスと全く同じセットの中で俳優女優らが仕事ばかりしている。考えてみればそれが当たり前なんだがー。そんなドラマでありながら、名だたるドラマ賞を総なめにし、ケーブルTVの視聴率も当時の歴代2位まで達成し質、人気ともに獲得した名作で、当時日本のドラマ評論家が「こんなドラマが韓国で出てきたことに嫉妬すら覚える」と雑誌に書いていたのを思い出す。その後、日本でも2016年に中島裕翔主演でリメイクされた。それくらい話題になったドラマである。
このドラマを見れば会社(総合商社)での仕事というものがどんなものかよく分かる。忙しさの中に企画力、プレゼン力、交渉力、事務力、語学力そして社内の人間関係にどう対処すべきかなど主人公のチャン・グレ(イム・シワン)だけでなく、紅一点のアン・ヨンイ(カン・ソラ)、エリートのチャン・ベッキ(カン・ハヌル)、ムードメーカーのハン・ソンニュル(ピョン・ヨハン)という同期入社それぞれの悩み、先輩とのあつれきなども含め丁寧かつリアルに描かれている。私は会社勤めって思っていた以上にいろいろあって大変なんだなと心底思った。世間的には医者の仕事は大変だろうと思われていて、確かに大変でないとは言わないが、それは専門職としての大変さであり会社員ほどの総合力は必要ない(と思う)。
このドラマのもう一人の主役は中間管理職のオ・サンシク課長(のち次長;イ・ソンミン)だろう。ワーカホリックで部下思い、不正を嫌い不器用な生き方が共感を呼ぶ。イ・ソンミンは放送中は街で視聴者に「オ課長!」とよく声をかけられていたという。このドラマに出た俳優らはその後みんな主役クラスを張るようになった。みんなうまいもんねえ。
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