最近の火曜日は救急ピッチ当番の午後が忙しい。寒くなって体調を崩す人が増えているからだろう。結局夜8時くらいまで病院にいた。珍しくブックリバーDrも残っていて、それはERCPをした患者の状態観察の必要があったからだ。まあ医者の仕事は定刻になったからハイ終わりというわけにはいかない。アメリカあたりは時間が来れば他Drに引き継いで帰宅すると聞いたことがあるが日本の現状では無理だろう。
髙村薫の「マークスの山」を読み始めた。全く予備知識なしのところ、事件の出だしが日本アルプスの北岳(高さ日本第2位3193m)周辺から始まっていたのが気を引いた。というのも去年からの日本百名山マイブームで山岳物には親近感があるし、ついこの間NHKの「百名山」シリーズで北岳を見たばかりだったからだ。地図がありこれも買って持っている「日本百名山地図帳」と比較しつつ読み進めた。ところどころ出てくる山岳用語もある程度理解出来るのでなおさらよい。それで山が背景のミステリーかと思えばプロローグが終われば大都会東京のど真ん中の警察が舞台の話に移った。主人公は合田雄一郎という刑事でこの作品以降も髙村作品に登場し人気があるらしい。
それにしてもこの本はページが進まない。字数が多いのもあるが、心理描写が多いし登場する刑事たちの動きが詳しく語られるため読むのに根気がいる。よほど警察内部を取材しないと書けない内容で背表紙に日本初の本格警察小説と銘打たれるだけのことはある。そうか、だから気安く読めるミステリーと違って直木賞を取ったんだ。ま、読みにくいほどのことはない、上下巻合わせて700ページ、ぼちぼち読んでいこう。
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