この前ある書店で中古本安売りフェアというかごの中に新古本が100円や200円で投げ売りされていて、その中で山崎豊子著「大地の子」全4巻(1冊200円)と髙村薫著「マークスの山」前後巻(1冊100円)、岡嶋二人著「99%の誘拐」(1冊100円)を買った。理由は「大地の子」はこの前NHKドラマを見終わったばかりで原作も読んでおこうか。「マークスの山」は乱歩賞作家の福井晴敏が初めて読んだ髙村作品で、次に読んだ「神の火」で「・・それで、模写というか、自分が書いたものの中に『神の火』のワンセンテンスをコピーして挿入してみた。パソコンがあったからこそできた作業ですが、挿入した部分が周りの文章から浮いてしまうので、つなげるために前後を書き直していく。核融合させるような作業を繰り返し、自分の文体をつかんでいきました。だから『神の火』は僕の「文章の師匠」ですね」と大いに影響を受けたというインタビュー記事を最近読んだから。「99%の誘拐」は「人さらいの岡嶋」との評価がある岡嶋二人作品を一度読んでみたいと思っていたから、とそれぞれなんだが、いかんせんその安さに思わず手が伸びたというのが正解だ。これが定価の500〜700円だったらきっと買ってはいなかった。安さには人の行動を変える力がある。
で、まず読み始めたのが「99%の誘拐」で期待に違わず面白い。特に文章がうまくサクサクと進み400ページをこえるけれど1日で読み切れる。この本は実は日本では珍しい共作作家の徳山諄一(じゅんいち)と井上泉(現:井上夢人)の合作になる。しかし文章は井上氏が一人で書いたとのことだ。作者名は当然ペンネームで「おかしな二人」のもじりであった。ちなみに髙村薫も他作家が真似るくらい文は上手いと思うが全くサクサクとはいかない。300ページが3日かかりそう。まだまだ寒いし読書の冬だわい。
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