昨日の交通事故の患者さん、午前に看護師相手にぶつぶつしゃべっていたらしい。「俺も怒っているんだよ。昨日はこてる先生とやりあったよ。20分くらいはケンカをした。俺はいつでも帰ってもいい、あんな医者に診てもらわなくてもな」と言い、腰の治療はしかたないとして胸の腫瘍疑いの治療は受けなくていいとうそぶき、入院時のいきさつが先生は気にいらんかったんだろうと何度か同じ話を繰り返した後、だんだん興奮してきて「ほら見てごらん」と名刺2枚を取り出し「俺が声を掛ければ日の丸の付いた車がここに来るんだからね。ウヨクよ、知っているだろうが。こんな人にも顔は利くんだから」と笑いながら、主治医に伝えて構わないということだった。
へへー。そう来たか。右翼?なんじゃそらー。大っ嫌いだぜ。みずから小物ぶりをさらしたな。自分では大物と思っているのかもしれないが。ともかく、この人は何を不満に思っているのかよく分からない。私がなぜ怒ったかははっきり伝えている。胸の異常はある程度はこの病院でも検査出来るがいずれ専門の病院に紹介するつもりだった。はなから自分が診るつもりはない。ただ健診も受けず病気になったのをかかりつけ医のせいにししかも仕返し(本人の文言では「お礼」)をしようとする態度を「そうですか」と聞き過ごせない。それに今回の入院も実は月曜夜に一旦救急で運ばれてきたのを翌日自ら退院したいと帰り、その翌日腰痛悪化でまた救急で受け入れたいきさつがある。回り巡って私が主治医になりその辺の事情を確かめようとしたらいろいろ不満を繰り返すことにこっちも黙ってはおれない。
午後、この患者と再度話し合いを持った。今度はマチルダ師長、それに元警察上がりの高所顧問も同席した。こうしたトラブルになりそうなケースには高所さんに来てもらうことが多い。いろいろ言い分を聞くなかに金銭面での不安も見え隠れした。それでこれまでの検査で今回の入院が交通事故による骨折で間違いないのだから保険で全額治療費は降りることも伝えた。患者は当然そう主張しており、元より私も同じ判断だった。だからなんでこうも不満を述べるのか・・。ささいなことにこだわり損をしていると感じた。最後高所さんが「あんた、右翼がどうのこうの言っているらしがねー」と詰め寄っていた。「そんなことを言ったら、脅しになるんだよ。分かっているか」と、おいおい高所さん、あなたが脅しているようじゃないか。
まあ、心の広い私はそれでもこの人を診ていこうと思っている。腰の痛みは本当だし入院治療しないとさらに悪化するのが見えているからだ。症状を抱える病人を診るのが医師の仕事だしー。
0 件のコメント:
コメントを投稿