「1995年3月、世界的ブランド「グッチ」の元会長が白昼、殺害された。犯人は一体誰なのか?世間が騒然となる中、浮上した容疑者は・・」という冒頭ですぐに犯人が示唆され、それは「なんと別れた妻、パトリツィア・レッジャーニだった」という。
グッチはイタリアではよくある発展してきた家族経営の企業の一つでミラノが本拠地だ。グッチオ・グッチから始まり三男のアルドは反対を押し切りローマやニューヨーク、パリなどに支店を出し海外進出をさせた。五男のルドルフォは最も父のグッチオに愛され、兄のアルドと均等にグッチの株の配当を受けた。ルドルフォ死後、ルドルフォの一人息子であるマウリツィオに50%の株は相続された。アルドは40%、アルドの3人の息子ジョルジョ、パオロ、ロベルトはそれぞれ3.3%ずつ株を持った。それでこの事件で暗殺されたのが孫にあたるマウリツィオで、その結婚相手がパトリツィア・レッジャーニだった。↓がその二人。彼女は私生児で父親は誰か知らない。皿洗いの母親が運送会社の社長と結婚したことで運命が変わる。グッチ家は当初パトリツィアをお金目当ての女として認めようとしなかった。それは実は当たっていたのだが・・。その当時の会長はアルド・グッチであったが、3人の息子とうまくいっていなかった。三代目社長になったパオロはグッチの大衆路線に走り、これが会長だった父アルドの逆鱗に触れ社長解任されてしまった。しかしここでパオロは50%の株を持つマウリツィオと組み、父アルドを解任することに成功する。マウリツィオが社長に就くが、アルド側も裁判を起こすなどして一族の財産と経営権を巡る確執は続く。だがパオロはアルドの脱税を告発し有罪判決に持ち込み、80歳過ぎの老いた父親を獄中に送ったのだった。
放送を見て、私はこの前見た韓国ドラマの「財閥家の末息子」との共通点を連想した。ドラマはサムスンがモデルと言われている。初代が築き上げた莫大な財産と経営権をめぐる争いがテーマで、家族経営企業であったグッチとそっくり。二代目長男の息子と結婚する新聞社の娘が出てきてパトリツィアとはタイプが違えど財閥の富と権力を欲しているところなども似ている。主人公が経営権のない三男の息子というところは全く違うが、超巨大企業であるにも関わらず家族経営であればこのような相続にからむ確執や殺人事件が起きるという点が同じだ。最終的に「財閥家の末息子」の財閥も家族経営ではなくなる。企業は巨大化すればするほどファミリービジネスではやっていけないし、一部の家族が財産と経営権を一手に引き受けるなんてことはまず無理なんだ。
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