2022年1月14日金曜日

「ビートルズとインド」

NHKBSで昨日一昨日と「ビートルズとインド」というドキュメンタリー映画が前後半で放送され、今日鑑賞した。ビートルズがインド音楽や瞑想などに大きく影響を受けたというのはファンならずとも知られた事実だ。特にジョージ・ハリスンはアルバム「ラバーソウル」でのシタール演奏やその後もインド音楽風の曲を何曲も披露している。また1968年2月にビートルズの4人はそれぞれのパートナーを連れ、インドに赴き、マハリシ・ヨギに瞑想の指導を受ける体験を数週間に渡って受けている。この映画はそのあたりを当時の映像と関係者へのインタビューを交えて構成されていた。

まずインドといえばジョージ・ハリスンだが、彼の母親がジョージがお腹にいる時からラジオでインド音楽を聴くのが好きだったという事実は初めて知った。胎教まで受けていたからにはこれは運命だったんだな。映画はそのあたりを描いた前半より、後半のインド北部のリシケシュの道場でのエピソードが面白かった。今は廃墟みたくなってはいるもののかつてビートルズがそこで数週間過ごしたということで観光名所になっているそうだ。私も知識としてしか知らず初めて見た。リンゴ・スターがここでの生活に合わず10日ほどで帰国したのも食事が合わず小動物にも悩まされていたからだという。ジョン・レノンとジョージ・ハリスンは瞑想にはまり、それが曲作りにもかなり活かされた。アルバム「レットイットビー」に収録されているジョンの「アクロス・ザ・ユニバース」はそのものの曲でサビの部分の「ジャイ・グル・デヴァ」はこの道場での合い言葉になっていた。

それとビートルズ以外にビーチ・ボーイズのメンバー、マイク・ラブも参加していてこれはポール・マッカートニーのビーチ・ボーイズ風の曲「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」に影響与えているし、女優ミア・ファローの妹プルーデンスが瞑想にはまりすぎて1日以上も部屋から出て来なかったことを曲にしたのがジョンの「ディア・プルーデンス」、トラ狩りに行って実際にトラを殺したエピソードを曲にしたのが「コンティニューイング・ストーリー・オブ・バンガロウ・ヒル」で、映像でそのトラも出てきた。

しかし指導者マハリシとの間にあつれきが生じてくる。特にマハリシが参加していた女性に性的関係を持っていたという噂が流れ、当の女性がそう証言したということでキャンプに最後まで残っていたジョンとジョージはマハリシと決別することになる。ところがこの噂はどうも濡れ衣だったようだ。アレクシス・マルダスという取り巻き(どうも似非科学者らしい)がビートルズとマハリシとの関係を断ってイギリスに早く帰国させようと女性に嘘の告発をさせたというのが真相らしい。これは初めて知った。当時ジョンは特に憤慨していてマハリシを批判した曲「セクシー・セディ」を作っていてそんなエピソードも曲作りには活かされている。マハリシとの決別の大きな原因は他にも彼がビートルズの許可なく映画作りを勝手に各社と進めたりして宣伝に使われていると分かったからであろう。

この他、ポールの「ブラック・バード」「アイ・ウィル」ジョンの「ジュリア」などもインドで作曲されておりこれらの大半がその年の秋に発売されたいわゆる2枚組の「ホワイトアルバム」に収録された。いろんな煩わしさから解放され、瞑想の他は曲作りしかやることがなかったため様々な名曲が誕生したということはビートルズファンならず人類にとってハッピーなことだった。そう言えるネ。

映像はないがこれらの話題をまとめたサイトがあるので興味ある人は→https://rollingstonejapan.com/articles/detail/28045/1/1/1をどうぞ。

0 件のコメント:

コメントを投稿