2022年1月12日水曜日

どうぞこのまま

外来でのほっこりシーン。ある70代女性患者の先月のカルテにこう書かれてあった。

「処方は『どうぞこのまま』で」

前回と同じDo.処方という意味だ。これを見た西友Nsは??といった表情だった。

私はほらーと患者さんの名前を指さした。漢字では書けないがそこには「まるやまけいこ」の名が・・。しかし西友Nsはきょとん。そこに私と同じ年の不束Nsが通りかかった。「不束さん、『まるやまけいこ』って言えば・・」するとすかさず彼女は歌い出した。

「♪どうぞ〜このまま〜」

あはは、やっぱり同世代は知っているよねー。それくらい有名な歌なんだ。「昭和51年(1976)に流行った歌なんだ。歌ったのは丸山圭子っていう人で、ほら次の患者さんとおんなじ名前だよ」「へーえ、全然知らなかった」「西友さんはまだ生まれていなかった?」「2才ですから分かりませんよー」

そんなやり取りがあって、まるやまけいこさんを診察した。ほぼ終わった頃、彼女に私のノートパソコンでYouTubeにあった「どうぞこのまま」を聴かせると、恥ずかしがりながらも喜んでいた。ボサノバ調の今聴いてもなかなかの名曲です。ただ、サビの「どうぞこのまま〜」が出てくるまで2分以上かかる。→https://www.youtube.com/watch?v=Ik3a5qE18n4

この間の診察で、彼女がこの40年以上、名前が話題になるたびしょっちゅうこの歌のことを言われてきたと私は知っていた。診察も終わり、まるやまけいこさんは部屋を出て行こうとし、西友Nsはパソコンを指さし「先生、それ、もう消したら・・」と言いかけた。「え、そうかぁ、もっと聴きたいよなぁ。ねえ、まるやまさん」と私。

すると彼女「ええ、どうぞこのままで」

そう、私には聞こえたよ〜(⌒о⌒)。

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