今日、病院のコロナ病棟が8床から18床に増えた。コロナ患者が急に増えステージが上がり県の要請があったからだ。昨日までのコロナ入院患者は満床の8人。今後残り10床が埋まるかは分からない。ただ言えるのはそうなるとコロナ病床を維持するための看護師らスタッフの数が足りなくなるということだ。今は担当看護師はたった5人、ドクターは2人だ。看護師に聞くと肺炎を起こし重症の患者は1人もいないとのこと。一般に言われるオミクロン株の特徴どおりだ。昨年のデルタ株の時は肺の末梢にスリガラス陰影が起きる肺炎患者が多かった。となると今のコロナウイルスに対する感染症の基準が入院勧告措置などが適用される2類相当ははたして妥当なのか。
インフルエンザと同等の5類への引き下げてはどうかなどマスコミなどでは盛んに言われるようになってきている。岸田総理は「今は(5類への引き下げは)考えていない」と言っていた。しかし1ヶ月前は各都道府県で数名の発生だった患者数が千人を越えるところも出てきていてこれだけ爆発的に増えてしまっては2類のままでは医療機関が対応できなくなるのは自明の理ではないか。諸外国はほぼ緩和の方向に向かっているのだがねえ。イギリスなんか日本よりまだずっと患者数など多いのにマスクなしでもOKだなんてすごいとさえ持ってしまう。
まあオミクロンの性状がすべて判明しているわけではないので早まって5類にするのはどうかと危惧するのも分かるが、今の(2類の)ままというのはコロナ以外の重症患者の治療がかなりやりにくくなっている。私の患者で鹿児島市内の専門病院に転院を図ろうとしたらそこで予期せぬコロナ患者の発生のせいですぐには対応出来ないと言われてしまった。報道では、あるお偉い教授が「感染拡大しても、命の面で危ないことにならなければいいと、割り切ることが必要だと思う。軽症者で病院や施設が埋まり、重症者が入れないのは本末転倒」と指摘していた。
一方、感染者の急増が続く現時点での見直しは、医療現場の混乱を招きかねないとの指摘もある。コロナ新薬は非常に高価で5類に下げればそれらが自己負担になったりする。また検査体制や療養先の決定など、大きな業務を保健所職員や県職員が手伝いをしてくれた。それが5類感染症になると一般の病院のみでやっていかなければいけない。「今の感染急拡大の中では指定変えをするという声は現実的ではない」と愛知県知事は言っていてそれは確かに肯ける。でも昨年11月12月のコロナが落ち着いていた頃にこのような事態を予想して分類見直しを検討していても良かったのではないか。イギリスの話だがジョンソン首相は夏の7月頃に「今緩和しなければ冬には(緩和)出来なくなる」として緩和政策に踏み切った。それがいいかは少々疑問に思ったが、先を見ていろいろ批判はあっても私の(首相の)責任でこうした政策をやるんだという姿勢はすごいし見習わなければと思った。
ここだけの話、「専門家の意見を聞いて」なんて言っていたら、専門家は学者だからはっきりした結論が出ないうちは絶対に慎重なことしか言えないものだ。全国で毎日3万4万のコロナ患者発生報道があるのに死者はそんなに増えいていないこの現状をみれば、どこかで政治的判断をすべきだろうと思うのだがねえ。あまり報道されていないが、諸外国からは「現在の日本への入国の制限が厳しすぎる」と結構非難されている。世界から見たら日本のコロナ対策は少しおかしいと見られていることを自覚しよう。
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