2022年1月6日木曜日

動物園やサファリパークとはどういうところか

昨日、那須サファリパークで希少なベンガルトラが飼育員を襲うという事件が起きたそうだ。

「うわ、寅年だけにこんな事件が起きたのか」なーんて勝手に思ったが、肉食動物担当の女性飼育員26才を助けようと獣舎わきの飼育員通路へ20代の男女飼育員2人が助けようとするも、助成飼育員は頭部を噛まれて骨折するなど大けがを負い、同僚を助けようとした小動物担当の女性飼育員22才は右手首から先を失う重傷を負い、現在手術を無事に終えて容体は安定しているとのことで、笑えない一件になった。

襲ったトラは米俳優のジョン・トラボルタからボルタと名付けられていた。麻酔銃を撃ち込まれたボルタは、しばらくノロノロと動いたあとに眠ったという。現在は自室の獣舎におり、ほかの飼育員が経過観察しているとの報道で、これを知ったネット民からケガをした飼育員を心配するメールや電話などが数多く寄せられており、さらにボルタの処遇を気にする声も多いという。 《ボルタを殺処分しないでください》 《ボルタはどうなってしまうのか》と危惧しているそうだ。ボルタ↓。

しかし安心してほしい。葛原支配人は表情を変えずにこう話す。「人を襲ったからといってその動物を殺処分する動物園はどこにもないと思います。一般の方にはそんなイメージがあるのかもしれませんが、管理動物のやったことはみな人間の責任です。ボルタが殺処分されることはありません。管理している人間側の責任です」と。

かつて独特の語釈で有名だった新明解国語辞典の主筆見坊豪紀氏は「動物園」を「生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀無くし、飼い殺しにする,人間中心の施設。」とかなり批判的な観点から説明していた(新明解第四版まで)。しかしその後の版では「捕らえて来た動物を、人工的環境と規則的な給餌(きゅうじ)とにより野生から遊離し、動く標本として一般に見せる、啓蒙(けいもう)を兼ねた娯楽施設。」とマイルドなものに置き換えられている。

もし殺処分されたら、かつての新明解の語釈が的を射ていると言われてもしようがなかったろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿