週明けはやはり忙しい。金曜日終業間際に来た下血患者(急性直腸潰瘍出血)の処置が上手くいっていなくて再度大腸内視鏡を行い、今度はしっかりと止血余地が出来た。さらに大腸内視鏡で言えば、前立腺癌の放射線治療(陽子線治療も含む)で下血が出るようになったという初老男性の大腸を見たら案の定、直腸に新生血管が出来ていてこれをアルゴンプラズマ止血で処置した。鹿児島は指宿に陽子線治療の専門施設があるからか、去年も4、5人は同様の治療を行っていて毎年一定数の合併症治療が生じている。↓テクニック的にはそれほど難しくはないが多少の根気がいる治療法だ。
明日も他Drから下血症状の中年男性の大腸内視鏡が入っていた。以前大腸憩室を指摘されているというから先週に続いての大腸憩室出血か?そちらはテクニックがどうのというより出血源憩室をいかに見つけられるかが勝負だ。よいタイミングで検査をすることが大事で本来なら出血のあった今日実施がよかったが件数枠がもうなかった。ま、明日は明日の風が吹くってか。だが下血で多いのは虚血性大腸炎や痔出血などだがこれらは内視鏡治療せずに済むことが多い。治療が必要な下血は腹痛を伴わないことが多く、今日話題にした下血治療疾患3種はいずれも腹痛はほとんどない。これは一番の重大疾患といえる大腸癌もいっしょだ。痛みがない出血の方が放置すると重症になりやすいってなんだか哲学的でもありますな。
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