結局、前夜から泊まりがけで病院に来たのはあんまし意味がなかった。雪は積もっていないし高速道路はどこも通行止めにならず、空振りに終わったのだった。でもまあいい。そういうこともあるさー。
外来の仕事中、みんなの話題はやはり雪だった。外は時に雪がチラついていた。そこで私はみんなに「あのさー、私の言った後の次のセリフは何か分かる?」と前置きして、少し歌うようにこう言った。
「♪雪はふ〜る〜」
すると、若い看護師や40歳代の職員は皆「え、知りません」「分からないです」と返事する。しかし、最初に答えたのは60歳代の元外来師長で今は地域連携室にいるホントだ君だ。「♪あなたは来ない、ですよね」「そう、正解」。次に内視鏡室のコッパマNsも「♪あなたは来ない、知ってますよー」「コッパマさん、あなた何歳?」と私の質問に「もう55歳ですよー」だって。それで内視鏡室にたまたま来た薬剤師のギセイ君に同様の質問をしてみると「♪あなたは来ない、です」「ほう、君、何歳?」「55歳です」「おお、コッパマさんといっしょだ。55歳以上の人ならこの歌を知っているんだな」
外人の男性歌手が若干なまった日本語で朗々と歌い上げるこの歌、歌詞は「雪は降る」だがタイトルは「雪が降る」で、歌うのはアダモ。作曲も彼自身でフランス語で歌うのがオリジナルだが各国の言語で歌い有名曲になった。外国曲とはいえ昭和の香りが漂う歌で、安井かずみの訳詞もほぼ七五調だ。昭和の時代は好むと好まざるに関わらずこの「雪が降る」はTVなどを通じてよく耳に入って来た。ただ「♪雪は降る、あなたは来ない」まで知っているが次が出て来ない。この出だしだけがすごく有名なんだ。アダモの日本語バージョンはこちら→https://www.youtube.com/watch?v=jzSGQxFESSA
曲のサビの「♪あなたは来ない〜いくら呼んでも」も有名だな。この歌は有名歌手もカバーでよく歌っていて、美空ひばり、尾崎紀世彦、藤圭子など名だたる昭和の名歌手らが取り上げている。その中で珍しくテレサ・テンが歌ったものが印象に残った。なんて言うか言葉の一つ一つに余韻があって女性が恋する人に会えないさみしさ、つらさがとてもよく伝わってくるんだ。オリジナルとは違った良さがあって、別の曲にする聞こえる。テレサ・テンはやはり偉大なる歌姫だったんだと思ったな。→https://www.youtube.com/watch?v=4aIzNmTxDTY
夕方、院長室に入ろうとすると、某製薬メーカーのMRが私が来るのを待っていた。今日は頭の中が「♪雪は降る〜」でリピートされているので、あまり期待はしなかったが、彼にも質問した。すると、「♪あなたは来ない、ですか」と正解を言うではないか。これには驚いて「君、いくつ?」と尋ねた。すると、なんと「55歳です」という。よしっ、もう結論は出た。現55歳以上の日本人ならば、アダモの「雪が降る」を皆知っている!
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