そんな中、毎日の通勤で姶良地区を行き来していると気になる山が出てきた。姶良インター近くにある片子山である。高さは144mでその名のとおり西側半分が無く崖になっている特徴的な山だ。この山を片目に上水流地域にハンドルを切り私は青雲会病院を目指す。不思議な形の山だなあと以前から思っていて最近ますます気になってきた。もし姶良百名山があるならきっと入るはず、いやそのユニークな形ゆえ自分だったら絶対に推す。表から見たら小さな小山に過ぎないが裏は崖でロッククライミング好きな人ならちょいと登ってみようかという気になるかも。今は夏で崖側も少し木々が生えぼやけるが冬は肌が露出しよりその特徴が出る。(↓上が変哲もない正面からみた片子山で、下が特徴が出ている横からの眺めです)
気になるのでネット調べてみるとこのような山は「火山岩頸(かざんがんけい)」といって、マグマが軟らかい地層に貫入し、冷えて固まった後、周りの軟らかい地層が浸食されて出来たもので、このため、尖った山を形成するのが特徴とのことだ。何と姶良地区には目に付くものでも4つもある。特に有名なのが加治木木田の蔵王岳だ。これは高速で空港に向かう坂に立って非常に目立つ。片子山のように半分崩れておらず形もいい。間違いなく姶良百名山があるならその一つだ。(↓山側から見た蔵王岳です)
さらに加治木にはこれも目立つ三連山がありその一番海側の山が湯湾岳という。岩の採掘場になっていて私の記憶が確かなら以前はもっと形のいい山だったように思う。(↓)
実は、蔵王岳、湯湾岳、片子山の三つは、直線状に並んでおり、断層に沿ってマグマが貫入したと考えられているそうだ。他には重富小近くの剣ノ岡もそうだとのことで姶良がかつて姶良カルデラという火山活動で出来た凹地から出来た土地だということがよく分かる。
世界を見渡すと、この火山岩頸にはもっと大規模なものがあって映画「未知との遭遇」にも出てきたアメリカワイオミング州の巨大な岩頸は「デビルスタワー」と呼ばれている。こちらははるかに巨大で立派。国立公園になっているのも肯ける。高さは386mだそうだ。年間40万人の観光客が訪れ4千人が登頂を試みるといいロッククライマーらの聖地のような岩頸でもあるらしい。山あれば人は必ず登る。これは古今東西変わらぬ真理のようだ。でも私は登りたくない。おお、考えただけでぞっとし、そして落ちそうになる夢を見るよー。
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