終わって病院を出る前に私は人間ドック室に健康雑誌の件で立ち寄ってみた。その雑誌を置くことが既定事実で確固たるものなら私の出る幕はないが、彼女に尋ねてみると単なる提案でそれが良かろうというぐらいのものだった。そこで私は言った。
「そんな健康雑誌に変更するくらいなら今置いてある週刊ポ○トや週刊○代の方が絶対にいい。利用者の立場に立ってごらん。検査結果指導でやれ減量せい、減塩せい、アルコールを飲むなと言われるのに検査の合間くらいは息抜きに気楽な雑誌を読みたいはず。○ス○や現○は硬軟おり混ぜての記事もあるしそれにエロ記事、グラビアも満載だろ?4、50才代のサラリーマン男性が多いのだから利用者が読んで見て喜ぶ方を置くべきだよ」
これに自分で提案しておきながらイワナNsはすんなり応じた。なかなか素直でいい。
私がかく主張したのには20年ほど前の経験があったからだ。そのころ沖縄の流星病院に出張していてそこは1日に多い日で40名も利用者が来るような人間ドックでは有名な病院だった。で、待合のTVでは健康増進ビデオを流していたのだが、これが不評だった。そこの部長のグリコDrが自ら手作りで作ったもので待っている間も健康に関心を持ってもらおうという配慮だったのだろう。しかし、利用者の意見は違った。「せっかく仕事を休んでドックに来て平日は見ることの出来ないワイドショーを見たいのにー」だったのだ。グリコDrは不満だったようだがその後の画面はワイドショーになっていた。
そこにあったエロ雑誌、いやサラリーマン週刊誌を手に取りパラパラめくってみると、袋とじの端が破られ、あらわな肢体が露出されているグラビアが出てきた。私は「ほらね。これが利用者の本音なんだ」とイワナNsに言い残し、帰ったのだった。
(青雲会病院内視鏡待合室:ホームページより)
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